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今宵、僕は狼になる。 ページ16

「ウィルスを作った異能者を捕まえる!?」


揺れる車の中、敦が声を上げた。作戦としてはこうだ。先程の建物には谷崎が交渉人として残り以下を伝える。

探偵社でウィルスを作った異能者を見つけ捕まえれば森と福澤の異能が解け命が助かる。そうすれば双方争う必要などない。
だが約束の刻限迄に見つけられない場合、残った谷崎が命を落とす。


「マフィアと正面からかち搗ち合えば必ず死者がでる。それを避けるには規則を変えるしかない。」

「でも、若しその異能者が遠くに逃げていたら…。」

「それはありません。毒には必ず解毒剤が要ります。共喰い作戦の実行の時、必ず横浜に居ます。」

「その通り。そして太宰が云うには黒幕はウィルス異能社のことを"ある犯罪者"と呼んだ。犯罪者なら今は横浜から出られない。表の逃亡経路は特務課が、裏の逃亡経路はマフィアが抑えているからな。」

「それじゃあ、」

「今、異能特務課と軍警にウィルス系の異能者の資料を要求しています。」

「それがまもなく届くだろう。そしたら敦と国木田でウィルス異能者を押さえてくれ。」

「でも、ウィルス異能者の資料だけじゃ居場所なんて、」

「それだけあれば僕なら十分だ。」


乱歩の真に迫った言葉にAは落ち着いていく。大丈夫、問題無い。必ず、救ってみせる。


「国木田と敦がウィルス異能者を捉えている間、万が一に備えて谷崎を救出する人名も必要だ。谷崎の最終脱出目的地には夜叉の異能の幹部がいる可能性が高い。だから泉に行ってもらう。」

「はい。」


乱歩の言葉に鏡花は真っ直ぐに頷いた。そしてそれを確認した乱歩は「問題はあと一つ。」と顔を顰める。


「重力操作の異能力者に連絡が行くと脱出の勝算が下がる。」

「私が行きます。」


その言葉に乱歩は顔を上げ、Aを見る。乱歩だけじゃない。国木田達も少し驚いたようにAを見ていた。中也とAがかなり親しい友人である事は遭遇したことがある国木田は皆知っている。勿論それを仕事上で持ち出したことは無いし、そもそもマフィアと全面対立することも無かった為、立場も何も無かった。だがこうやって対立したとき、Aは矢張り探偵社員なのだ。私情なんて持ち込んでいられない。

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海姫(プロフ) - 神夜さん» コメントありがとうございます!本名と一緒とか…、運命感じます(笑)。ってか可愛い名前ですね。羨ましいです! (2019年1月24日 9時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
神夜(プロフ) - 海姫っていう名前が私の本名と同じで思わず2度見してしまい気になったので見てみた所とても面白かったです!更新頑張ってください (2019年1月22日 0時) (レス) id: 1c640baa7c (このIDを非表示/違反報告)
海姫(プロフ) - 雪豹さん» コメントありがとうございます〜。正直原作沿かなり自信ないんですけどか頑張ります! (2018年12月28日 20時) (レス) id: fe69d25c5e (このIDを非表示/違反報告)
雪豹(プロフ) - 続編、良いですね!楽しく更新を御待ちしておりますm(_ _)m  (2018年12月24日 13時) (レス) id: 5c79542a8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海姫 | 作成日時:2018年12月23日 21時

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