アオギリの樹の短編集「「さん」」【東京喰種】

嘘なんてつくもんじゃない〜アヤト〜 ページ23

『．．．暇だな』


特にすることもなく、かといって何処かに出掛けたい訳でもなく．．．

何かないものかと考えていると

そういえば、今日はアヤトが休みなことを思い出す

そして、もうひとつ．．．


『あ、そうだ』



何を思ったのかアヤトの部屋へと向かった







ｺﾝｺﾝ



ノックをしてから部屋の中へ


『アヤトー？』

「なんだよ」


部屋へ入るとアヤトはベッドの上に横になっていた



『あのね．．．』

いつにもまして真剣なA


「？」


『私たち、もう、終わりにしよう．．．』



「．．．」



お、困惑してる困惑してるとか思ってるA


Aが思い付いたこと、それはアヤトに嘘をついて騙すこと
今日はエイプリルフールだからということで、アヤトを騙して遊ぼうとしたのだ

去年その前の年とアヤトは騙されなかったのでそのリベンジでもある

今年こそ困らせてやるという思いのAはこんなことを言ったのだ


勿論別れよう何て言うのは嘘


そろそろいいかな？
と、嘘だということを告げようとすると




『じ「いいぜ』え．．．？』


まさかの別れる感じの流れになってしまった


「前々から思ってたけどメンドクサイし、一緒にいても大して面白くもないし、すぐ泣くし、色気ないし、そろそろお前にも飽きてきたし。いいぜ、俺は別れても」

『う．．．』

「よかったよ、Aの方から切り出してくれて」


予想外すぎる展開

冗談なはずなのにまさか本当に別れることになるとは


しかもそんなことを相手に思われていたとは思っていなかったA

目からは涙が溢れ出す



『アヤトの．．．』


「あ？」



『アヤトの馬鹿野郎！！！！大嫌い！！！！』



そういって部屋を出ていこうとした

そしたら腕を捕まれた



『放して！！！！』


そして


「嘘だよ」


と、一言


『え』

「マジで別れるわけないだろ」



どうやらアヤトには全てお見通しだったようだ


「でも」

『な、なに．．．』


「次にまた嘘でもあんなこと言ったら．．．」

『．．．ごめんなさい』




嘘でも別れ話なんてするもんじゃないなと思い知らされた日だった



(ねぇ)
(あ？)
(さっきのメンドクサイとかって何？)
(あ？嘘に決まってんだろ。Aが傷つきそうなことなんて考えればすぐわかる)
(マジで言ってたらどうしようかと思った)

敵わない〜瓶兄弟〜→←言わなくてもわかるんです〜ノロ〜

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