Lv.999 のぶりっ子 【呪術廻戦】

・ ページ34

「木更津さん」





『なぁに？』






私はこの人を知らなかった。


私より断然立派な人間だった。






「助けて頂いたのに八つ当たりして、すいませんでした」






彼女のことを、他人の私が文句言える立場じゃない。



少なくとも、他人に八つ当たりをして迷惑をかけた私より、ずっといい。







『ふふ♡良いのよぉ♡私ぃ、良く可愛い嫉妬されてたからぁ、慣れてるわぁ♡』






「可愛いから嫉妬されてたのか言動が鼻に付くからかどっちだろうね」






『違うのっ傑クンっ…！皆んなは悪くないのぉ、私が可愛いからいけないのぉっ♡』






「うん、一言も言ってない」






「…他の人にも、律儀に、今みたいに諭してたんですか？」






『…ぃぇ♡』






「なら、どうしてたんですか？」






『ふふ♡』






「A？？」






『なぁにぃ？』





「その人達生きてるよね？？」





『ふふ♡』





諭してもらえて良かった。

下手してたら死んでたかも知れない。







「…それにしても、灰原は起きないな」





「出血の量が多いので、後数日はかかるかも知れませんね」





『あらぁ？こういう時どうするか知らないのぉ？』





「どう、とは…？」





「七海七海、嫌な予感がするから聞かないでおこう」





『ふふ♡』







チュッ♡






「こらAッ、君はっ、」






「…は？」






『プリンセスと王子様はキスで目覚めるのぉ♡キャッ♡恥ずかしいぃ…♡』






純情ぶるなよビッチが。


…というか、今、私に、え、何が？？





『建人ったらぁ、顔が真っ赤よぉ？ふふ♡ほっぺなのに可愛いわねぇ♡』





「ッ〜〜〜〜！？！そ、れは、貴女がっ…！」





『そうよねぇ？私が可愛いのがイケナイのぉ♡皆を虜にしてぇ罪な女の子っ♡♡』





「そうだよ君が悪いんだよ？だから後輩の安全の為にも出ていってくれるかい？？」





『傑クン嫉妬ぉ？ふふ♡これから雄にしてぇ、その次にしてあげぇ…なぃ、けどぉ…』






「私がフラれたみたいな空気やめてもらえる？？」






夏油さんと木更津さんがイチャイチャしている(してない)けど、全く頭に入らない。







ぶりっ子で、ナルシストで、性格も好きじゃない。



でも、あの人、顔は、顔だけは良いんだッ…！！！！






「クソッ…落ち着け七海建人。あの人はパパ活する猛者で楽でもないクソな先輩だ」




「七海はAの事をそう思ってたんだ？？？」

【家入　硝子】→←【七海　建人】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す