【七海 建人】 ページ27
任務を終えるのに、随分と時間がかかってしまった。
もう8時過ぎか。
「…この時間の方が、この辺りの店は賑わうんですね」
どんな店とは言わないが。
やたらギラついたカラフルなネオンの看板。
そこに吸い込まれるように男女が2人で入っていく。
本来学生がこの通りにある道をこんな時間に通るのは不健全。
…まあ、仕事だったので仕方ない。
「早く帰、」
「あれ?お嬢さん1人?」
『あ、いや…その、』
かなり後方にいた清楚な女性が声を掛けられていた。
喋り方や雰囲気が違うので普通の人なら気付かないだろうが、呪力で分かる。
木更津A。
あの計算高そうな先輩のことだ。
大方、わざとここに来ているんだろう。
「君。僕とどうだい?」
「はぁ、はぁ…おじさんと行こう?」
『いや、あのっ…』
…それにしても普段と違う。
普通からああしていれば、夏油さんも五条さんもあの人の虜だっただろう。
…多分。
『あのっ…私は、そんなつもりはっ…!』
___もし彼女が、たまたま此処に来てしまったとしたら…?
「…仕方ない」
不本意だが、と歩き出したその瞬間。
『ッッあの!助けて下さいッ…!!』
「ん?なんだい君は」
「は…!?」
あの人、知らないおっさんに抱きついて…?
『変な人に絡まれててッ…!っぁ、忙しそうなのに、すいません…』
「…ふ、良いんだよ。おじさん、用事はもう終わったところだから」
如何にも金持ちそうな男はあの人を上から下まで品定めするように見た後、ニッコリ笑った。
「…不愉快」
男性もだが、あの人もあの人だ。
あざとい言動ばかりで、触られても否定しない。
ハッ…まさかここにパパ活しに来て…?
「………金輪際二度と灰原に近寄らせない(固い決意)」
あの純粋な灰原だけはあの人の餌食にさせない(母性)
『…』
「…っ!!」
目が合った…!
私に気づいてたのか!
『ふふ♡シィー』
とても可愛らしい笑顔をこちらに向けて、あの男に腰を撫でられながら去っていった。
「…」
〜ッとてつもなく不愉快!!
夏油さんと五条さんに引けを取らないクズっぷりを発揮してくれた。
正直、嫌いなタイプだ。
とてつもなくムカムカする。
「はぁ…」
寝て忘れよ。
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らるぴ🐰🎀 - 羽のところツボ(笑) (2022年5月10日 11時) (レス) @page10 id: cc1d725daf (このIDを非表示/違反報告)
えんぺぱァ - キャッ♡いぼ痔ッ♡ で牛乳吹いた♡ ブッッッッッッッフォッッってね☆ (2022年4月29日 13時) (レス) @page25 id: a38fcb95b9 (このIDを非表示/違反報告)
ほびまほぷ(プロフ) - 最高に面白いし大好きですありがとうございます!!!(大声) (2021年12月28日 20時) (レス) @page50 id: ab6c13b289 (このIDを非表示/違反報告)
青竹 - 岡山県出身!!私と同じ!!(いや、そこなんかいな) (2021年11月7日 11時) (レス) @page18 id: 9624a8dcc1 (このIDを非表示/違反報告)
魔灯 - ゲジゲジwwww (2021年9月18日 16時) (レス) id: 43f1bbcd44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無礼物 | 作成日時:2021年5月5日 13時