Lv.999 のぶりっ子 【呪術廻戦】

【夏油　傑】 ページ16

グランドで、突然の出来事だった。



「なぁオイA」

『はぁい？なんですかぁ？』






「俺にキスしてみろよ」




『…ふぇぇ？』



「うわ、うわ五条マジか」




また何か言い出したこのボンボン。


いくらそういうお年頃だからって相手は選びたいよ、私は。






『キャァ♡悟くんの破廉恥ぃ♡せめてぇ私と対等のぉ顔になってから言って欲しぃなぁ♡』



「はぁ？俺がしろって言ってんだからしろよクソビッチ」



『そんなにぃ、自分のことビッチなんて下卑しなくてもぃいんだよぉ？』



「お前に言ってんだよブス」



『大丈夫だよぉ♡悟くんはそこまでブスじゃぁないよぉ♡』



「何この世界一噛み合ってない地獄みたいな会話www」



「噛み合ったところで地獄だろうけどね」




この会話が数分続き、元よりキレていた悟に対しにこにこしていたAも内心イライラしてきたようで口角が引き攣り始めた。

猫を被りきれていない。



彼女は本当に闇が深いな。




「悟、良い加減にやめないか」



「あぁ？良いから早くしろよ、俺に出来ないとかそれでも女？？B専か何か知らねぇけどさ、」





静止の声も聞かずキスしないAに永遠と怒鳴り続ける悟。


…改めて言葉にすると本当に意味が分からない状況だね。


普通に考えてお前がキレるところじゃないから。






「おい、五条、お前もう、」


『チッ、クソうるせぇ…』





硝子が止めるのが早かったか、それともAが動くのが早かったか。



小さな声で煩い(そんな綺麗な言葉ではなかったが)と呟いたAが、五条の胸倉を掴み引き寄せてキスをした。

しかも、深い方の。






…………え？？？






『ん、チュ………は、』


「っ！？、ん、ぁ、はぁ…う、」



「やばくねwwww」


「私は夢でも見てるのかな？？？」





してるだけならまだ良い。

いや、全く良くないが。



完全に悟が受け身になっているんだが誰かこの状況を説明してくれ…！



あの天上天下唯我独尊の五条悟が喘がされている。


しかも同級生の女子に。



…本当に何見せられてるんだ私達は。
何が楽しくて親友と友達の濃厚キスシーンを見ないといけないんだ。


…いや、語弊があるな。


硝子は大笑いしながら携帯で動画を撮っている。

とても楽しいんだろう、羨ましい。

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