story83 アリスのお茶会 ページ8
陽毬side
体質系エリアに着くなり、『アリスのお茶会』という喫茶店を探して入る。事前に聞いた情報では午前中の間、流架はそこで働いてるらしい。
「いらっしゃいませ！……って、陽毬ちゃんに棗くん！」
「……流架がいるって聞いて。入ってもいい？」
「どうぞどうぞ！あっ、流架くん呼んでくるよ！」
扉を開けると同時に元気のいい甘ったるい声で出迎えられたと思ったらナルがいた。彼も一応体質系クラスを取り持つ教師だ、引率として付いていてもおかしくはない。昨日仲直りしていたお陰で気まずい空気を作らなくて済んだが、面と向かって顔を合わせるのは少し恥ずかしい。
ナルは僕らを見るなり、店の奥の目立たない席を用意してくれた。人目が嫌いな僕らのことを考えてくれたのだろう。
席に着いてメニューを眺めていると、そこへ流架がやってきた。
「２人とも、ほんとに来てくれたんだ。」
「勿論だよ、流架！ わぁ、それ本物？」
「……みたいだな。」
流架は襟や裾にフリルがあしらわれたブラウスの上にチェック柄のベストを重ねた衣装を着ていた。ズボンもチェック柄で、不思議の国のアリスをイメージしているのか、頭にはウサギの耳のようなものが付いている。
棗が流架の頭についている耳を引っ張ってもずれなかったから、なんらかの方法で頭から生やしているのだろう。何でもありのアリスの学園だから頭から耳が生えることぐらいじゃ驚かない。
注文を決めて流架に伝えると、テキパキとした様子で後ろに下がっていった。
「鳴海が、休憩していいよって。」
しばらくして戻ってきた流架のトレイの上には僕らの注文した物の他にケーキと紅茶が置いてあった。ナルが持たせてくれたのだという。
気を利かせてくれたのかと思いきや、自分がパーマと一緒に特力系の方に行くためにサボるから、流架もサボっていいよとのことだったらしい。
まぁ、理由はどうであれ流架と一緒に過ごせるならなんでもいい。
棗は苺タルトとコーヒー、僕はフルーツパフェとチョコレートタルトにミルクティー、流架はショートケーキとストレートティーを楽しんだ。
流架はずっと自分の格好が恥ずかしいのか林檎みたいになってたけど、僕も棗も滅多に見れない流架の姿を目に焼き付けるのに必死だった。
流架も含めた３人でケーキと紅茶を楽しんで店を出ると、何やら特力の方が騒がしい。流架も気になってる様子だったし、僕も興味がないわけではなかったので向かってみることにした。
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えるふぃ(プロフ) - 名無し67465号さん» 名無し67465号さん、コメントありがとうございます！反応がない中、書き続けるより、こうしてコメントしてくださる方がいるだけで続きを書く気力が湧いてきます！今のところ、3日に1話ペースで書けているので、この調子を保てるように頑張ります(*´ω｀*) (6月14日 22時) (
レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
名無し67465号(プロフ) - すごく大好きなお話です！！続編待ってます！ (6月14日 21時) (レス) @page50 id: 4d7900bf24 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 眞白さん» なるほど、その回想で罰則印が付いていなかったのならこの頃の翼にもありませんね…。ご指摘いただいた部分、修正しておきました。ありがとうございます(*´ω｀*) (2020年9月29日 22時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
眞白 - えるふぃさん» コメ返ありがとうございます！Zの時の翼の回想(7巻の39話)だと、中等部の制服を着た翼と要がいるので、その辺りかな？と思います！それがいつの時期なのかは詳しくは描かれていませんでした… (2020年9月29日 21時) (レス) id: 1107d34cbb (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - 眞白さん» 眞白さん、読んでくださりありがとうございます！翼の年齢のことすっかり抜け落ちてました。ご指摘すごく助かります。罰則印のことなんですが、勉強不足で申し訳ないのですが、いつごろ着いたかどこで分かるか教えていただけませんか？自分では見つけきれませんでした… (2020年9月29日 21時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えるふぃ | 作成日時：2013年12月2日 10時
