そこから顔を見せたのは。 ページ15
教室の陰から出てきたのは、
お父様だった。
スマン「Aまだ残っていたのか」
「お・・・・お父様」
見られてた・・・・？
父は、私とキュヒョンの顔を不審そうに一瞥し、
「用がないなら早く帰りなさい。お前がいつまでもだらだらと学校内に残っているなんて、他の生徒に示しがつかないだろう」
「はい・・・。」
そして父はもう一度キュヒョンに目をやり、立ち去った。
早く帰ったって、どうせ誰もいないくせに。
いつまでも学校に残っていたら困るから。
娘が不真面目な生徒に見えたら、自分が困るから。
それだけ。
暗くなったら危ないから。とか、遅く帰るのは心配だから。とか
そういうのじゃない。
ただ自分のため。
父が去った後、床を見て黙り込む私に、キュヒョンは、
「これ以上誰かに見られたら面倒だな・・・。やっぱり教室じゃヤバいか」
とため息をついた。
「私、帰る」
自分のバッグを手に取り、その場を離れようとすると、
「待った」
そういって引き留められた。
引きとめられる手にイラつき、キッと睨む。
だけど、その次に起こされた行動は、私が思い描いていたものとは違って。
「えっ・・・・」
顔に手を伸ばされ、突然視界がぼやけた。
すぐにメガネを取られたと気づく。
「ちょっと返して！」
取り返そうと頑張るが、全然届かない。
それと同時に、今度は、三つ編みがほどける感覚が襲う。
犯人は、もちろん目のまえのこの人。
「おまえさぁ・・・俺の前で、メガネと三つ編み禁止ね＾＾」
ぼやけて見えない世界でも、目の前の彼が笑顔ということはわかる。
私の大嫌いなあの笑顔。
「なんなの？！」
思わず怒鳴りつけてしまった。
イライラする。
父のこと。キュヒョンのこと。いろんな感情が混ざって冷静でいられない。
そんな気持ちを知ってか知らずか、私の髪の毛から手を放し、
「そっちのほうが可愛いから」
クスッと笑い、自分のバックを持って教室から出て行った。
そこには、呆然とした表情で残された私一人。
そして・・・・
「なに・・・・あれ・・・」
キュヒョンが出て行っドアの反対側に、いつからいたのかスマン
が中を見ていた。
「なんであの女がキュヒョンと・・・！」
そんなこと、キュヒョンも私も気づくことはなかった。
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作者名：ユナりん | 作成日時：2012年8月28日 16時
