エンゼルランプ vol.2 (ページ6)

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55. 繋いだ手 -side Yellow- ページ6

-side Yellow-

Aちゃんに夢遊病のことを話して、当然別々に眠ることになった。
おやすみと言ってAちゃんと別れて自分の寝室に入る。

自分のベッドで横になったけど、一人眠るのが久々でなんだか落ち着かない。
寝返りを何度も繰り返してしまう。

　コンコンッ

控えめなノックがしてAちゃんの小さな声が聞こえて来る。

『優吾くん、まだ起きてる？』

「起きてる。開けていいよ。」

体を起こしてドアの方を見ると、ドアが開いてひょこっとAちゃんが顔を出した。

『……一緒に眠っちゃだめ？』

少し硬い表情をしたAちゃんが首を傾けて言った。

「へ？」

びっくりして気の抜けた声が出た。

『ううん、や……。』

首を横に振って悲しそうな顔をしたAちゃんの言葉を遮る。

「いいよ。もちろん。
　一緒に寝よ。おいで。」

純粋に嬉しかったのと、Aちゃんの悲しい顔を変えたくて矢継ぎ早になった。
ベッドの中心から少し寄ってAちゃんの為のスペースを開ける。
毛布を捲り手でぽんぽんって合図した。

『お邪魔します。』

と小さく呟いたAちゃんが開けたスペースに収まる。
捲っていた毛布を優しく掛けた。
ありがとって小さく言ったAちゃんと向き合う形になる。

『あのね、夢遊病だって聞いたでしょ。
　ちょっと怖くなっちゃって。
　何だか寝付けなくて。』

とAちゃんが眉を八の字にしながら言った。
急にあんな話を聞いたら不安になるのも当然だと思って頷く。

「隣にいるから、大丈夫だよ。」

安心できるように言うと、Aちゃんの顔が緩んだ。

『ふふ。
　優吾くんに大丈夫って言われると、本当に大丈夫な感じがする。』

「よかった。
　あ！手、繋いでもいい？
　いつもそうしてれば大丈夫だったから。」

毛布から手を出してぐーぱーしながら提案する。

『うん、ありがとう。』

上からAちゃんの手が優しく重ねられて、きゅっと軽く握るとAちゃんの手にもちょっとだけ力が入ったのが分かった。

「おやすみ、Aちゃん。」

『おやすみ、優吾くん。』

Aちゃんがいい夢見れますようにって願いながら目を閉じた。