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61. アメショ -side Yellow- ページ12

-side Yellow-

ツアーに向けてパッキングしようと自室からスーツケースを引っ張り出してリビングに広げる。
ソファで読書中だったAちゃんが珍しそうにソファからこっちを見ている。

服やら雑貨やらを家中から持ってきて詰めていく。
いつのまにか静かに近寄ってきていたAちゃんがちょこんとしゃがんだ。
興味津々に荷物を詰まっていく様子を見ている。

「なあに?」

たまらず声をかけてみた。

『パッキングしてるの?』

Aちゃんと目が合った。

「そうだよ。
 出張あるって言ったでしょ?」

まだ時間に余裕はあるけど、早めに動いて損はない。

『優吾くんは余裕持ってやるよね。』

樹とかまだなんもしてねんだろうなって簡単に想像できる。

「まあそういうタイプだね。」

そこで会話は終わって、その後は荷物を詰める音だけが部屋に響く。
Aちゃんは手伝う訳でもなくおしゃべりする訳でもなく、ただ見入っている。
別に手伝ってほしい訳じゃないからいいんだけどね。
なんか猫みてえ。

「ねぇ、これ見てて楽しいの?」

気になってAちゃんに声をかける。

『うん。なんか面白い。』

結局どんなところを楽しんでるのか全然わからない。

「そう?ならいいけど。」

気にせず荷物をどんどん詰めていく。
荷物を詰める俺の動きを追ってAちゃんの顔が左右に動く。

こんな猫の動画あったなぁ。
猫じゃらしみたいのを追うやつ。

……かわいい。

つい無駄に動いてしまう。



その後もAちゃんは俺のパッキングの様子を暫く眺めてから、飽きたのかぐーっと伸びをしてソファに戻った。
小説の続きを読み始めてもうこっちを見向きもしねぇんだけど。

最初の頃より大分慣れたのかリラックスして自由に過ごしているのが分かって嬉しい。
Aちゃんって意外と自由人なとこあんだよね。
ほんと猫みてぇ。
動物で例えるならアメリカンショートヘアだな、なんて考えながらパッキングを終えた。

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作者名:鞍月すみれ | 作成日時:2023年8月8日 18時

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