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60. 出張 -side Yellow- ページ11

-side Yellow-

遂に来週から待ちに待ったツアーが始まる。
最初は横浜アリーナ。
何泊もするし、地方に何度も行くからAちゃんにも話さなきゃいけない。
でも、SixTONESであることは隠したいし、言い方が難しい。

以前からAちゃんには音楽関係の会社で仕事をしていると説明している。
それなら、服装や髪型が自由なことも時間が不定期すぎることもなんとかなるかなって考えた。
それに、これはギリギリ嘘ではないし。
Aちゃんには出来るだけ嘘をつきたくないから。



目の前で夕食の麻婆豆腐を頬張るAちゃんに話しかける。

「仕事で担当してる大きなイベントが始まるから、泊まりがけの出張に行ってくるね。
 色んな地方に行くから、何回かあるんだけど。」

頭の中で何度もシミュレーションした通りにAちゃんへ伝えた。

『いつから?』

食べる手を止めたAちゃんに聞かれる。

「1回目は来週。
 水曜日に行って日曜日に帰ってくるから。」

言いながら改めて長いなって思った。
本当にありがたい。

『わかった。
 ほどほどに頑張ってね。』

「ほどほどって。」

全力でやっても足りないくらいなのに。
そう思ったのが伝わったのかAちゃんが口を開く。

『だって、優吾くん頑張りすぎるから。』

Aちゃんはいつも"頑張ってる"って言ってくれて、それは嬉しいんだけどね。

「うーん、みんな頑張ってるし。」

チームで動く以上、自分の役割をしっかり果たしたい。

『熱出したし、そのこと隠そうとしたのに。』

ちょっと笑って柔らかく言ってるけど、結構な本音なんだろうな。
一緒に過ごす時間のおかげか、雰囲気でわかる様になってきた。

「それは反省してます。」

北斗にも迷惑かけちゃったんだよなって思い出しながら、素直に認めた。

「あー。でも、心配だなぁ。」

『え?何が?』

Aちゃんがキョトンとした顔で言った。

「だって、Aちゃん一人とか初めてじゃない?」

今まで泊まりがけの仕事は入ってなかったはず。

『あー言われてみればそうかも。
 でも、優吾くん。私大人だから。』

ふふって笑われた。

「そうなんだけどね。」

でも、やっぱりなんか心配なんだよね。
しっかりしてるんだけど、ね。

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作者名:鞍月すみれ | 作成日時:2023年8月8日 18時

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