エンゼルランプ vol.1 (ページ14)

今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:34,153 hit

13. 夢遊病 -side Yellow- ページ14

-side Yellow-

ショッピングモールから二人で帰ってきて、早めに夕食や入浴を済ませたAちゃんはゲストルームで就寝した。
新しい刺激が沢山あって疲れたんだと思う。

遠藤によると、記憶喪失の影響なのかAちゃんの睡眠時間は他人より長いようだった。
大体10時間は起きないらしい。

いつもなら22時に寝てることもあるけど、今日は読んでおきたい資料があって少し寝るのが遅れてる。
23時を回って、資料も読み終わって就寝の準備を終えた所で、足音が聞こえた。

　ぺたっぺたっ

あれ？Aちゃん眠れなかったかな？と思い様子を見に行くと、やはりAちゃんが佇んでいた。

「眠れなかった？」

と声をかけるも返事がない。
夢遊病ってやつかな？
とりあえずベッドまで連れていったほうがいいよね？
Aちゃんの手をとって、ゲストルームまで一緒に歩いた。
眠たいからなのかAちゃんの手は温かかった。

実を言うと、家にゲストルームはなかった。
というのも、俺は自宅に他人を入れることがあまりないし、ゲストルームの必要性を感じたことがなかったから。
だから、このゲストルームは趣味部屋をAちゃんのために整理したものだ。

Aちゃんをそのゲストルームのベッドまで送って手を離そうとしたら、きゅっと握られた。
不安なのかなと思うと、無理には離したくない。
ああ、もういいやって諦めて一緒に寝てしまうことにした。

「ごめんね。」

小声で謝ってからベッドに入る。
隣で眠るAちゃんが深く呼吸しているのを見てほっとした。

明日はAちゃんより早く起きれますように。