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#50 ページ20

原稿に不備があったら再提出になるわけで。
だから今、俺が原稿確認を神ちゃん家の玄関でやっているのは全くもって時間稼ぎなどではなく、二度手間にならないようにここで完全版を持って帰ろうっていうやつ、うん。
誰にするでもない言い訳をして枚数を数える。

…よし、枚数オッケー。
いや、今まで神ちゃんがそういうヘマすることなかったんやけどさ。
あと、内容も…一応ね。確認しておいた方が良いと思う。万が一のことがあるかもしれへん。(どんな万が一やねん)

「……あ、」

そっか。
1ページ目、最初のコマを見て気づく。
ここから始まるんやっけ。
主人公がデートの誘いを受けるシーン。
布団の中でメッセージを開いて喜ぶ顔を見て、神ちゃんもこんな顔しながら俺のメール見てくれたんかな、なんて。

「ふふっ、思いっきし水族館行くやん」

神ちゃんのいつものタッチで、今までより等身大になった俺の姿。
より一層俺に近づいた感じがして、もうこの恋ほんまに応援するしかないって。笑
それでも男前に描き続けてくるのがありがたい限りやな。

ほんのちょっと前のことやのに、一コマ一コマ全部が懐かしくて。
…この頃の俺が、羨ましくて。
やけど、手を止めることが出来ない。
こんなにしんどい思いして漫画読むの初めてやわ、ほんま。

…えぇ待って?タコに怖がるシーンは描かれてるくせに、ドクターフィッシュの下りカットされとるし!
自分に都合悪いところはそういうことするんすね!
思わず口元が緩む。
ほんで、最後の一枚。
また次回が楽しみなところで終わってまう。
そう思いながら原稿を捲って。

「……あぁ、もう」

ほんま、こういうところずるいねん。

「起きるまで、待っててもええかな?」

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ナナセ(プロフ) - ゆさん» 夜分遅くの返信ですみません。コメントありがとうございます◎ スピンオフも前向きに検討いたします。次回作もお付き合いいただければ幸いです。 (2020年12月16日 1時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 完結おめでとうございます!大好きな作品で、要所要所できゅんが止まりませんでした。上手く言えませんが、本当に最高です…この物語の続きやサブメンバーのスピンオフ的なものも気になりますが、次回作も楽しみにしております。 (2020年12月15日 23時) (レス) id: c2197c2c66 (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - niciさん» コメントありがとうございます。実は両片思いの二人でした…◎ 両片思いという設定を前提に書き進めていたので読み返していただけて嬉しいです! (2020年12月9日 13時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
nici(プロフ) - ナナセさん、素敵なお話をありがとうございます*キュンキュンしながら、ほんわか温かな気持ちになれるストーリーに出会えて幸せです。番外編で緑くんの恋心を知り、それを踏まえてもう一度最初から読み直してみたら2人とも可愛くて鼻血出ちゃいます!笑 感謝を込めて。 (2020年12月9日 12時) (レス) id: ade73ad07d (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - suu1_____9ndさん» コメントありがとうございます。私も自分で書いておいて終わってしまうのが寂しいです笑 あまり長くはありませんが楽しんでいただけましたら嬉しいです◎ (2020年12月8日 13時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナナセ | 作成日時:2020年11月25日 10時

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