#29 ページ29
「でもちょっと安心したかも」
「え?」
唐突な流星の言葉に驚きながら、一度グラスを置いた。
「いや、なぁ…神ちゃん、ここ半年近くずーっとノンストップで描き続けてたから」
半年、というと俺が担当になるよりも前か。
彼の口ぶりから言うと、ノンストップとはスランプのない半年、ではなくてほんまに休みなしの半年、っぽい。
あの子、放っておくとずっと仕事してそうやもんな。
「筆が乗ってる時に、って理論はわかるけど、いつか身体とか心とか壊さへんか心配でさ」
俺が配属されてからもずっとそう。
半年間の様子が容易に想像できてしまうのは、俺の見てきた彼がその像にぴったりと重なるから。
「そっか…」
「何か、神ちゃんにとってスイッチみたいなんがあるんよね」
「スイッチ?」
あー、あんまりペラペラ喋ったら怒られてまうなぁ、そう言って流星は苦笑い。
仕事の関係がないからこそ流星に言っているなんてことはわかるから、俺はこれ以上尋ねないでおく。
「ずーっとスイッチ入れてたらバッテリーおかしくなってまうから数日は休んだ方が良い。…これは友達としての助言」
やけど、と流星。
「もう一度頑張る時はしげ、お前がまたスイッチ入れたってな?」
ふざけ交じりに塾のCMソングを口ずさむ流星。
え、いや、まぁ、やる気スイッチ見つけるのも担当の仕事やけどさ。(てか本当はそれがメインと言っても過言ではない)
とはいえそんなものの存在、初めて聞いたし…。
「どこらへんにあるとか、ヒントは教えてくれへんの?」
「ん?そんなん片っ端から触ってくしかないやろ」
「物理的に存在するみたいな言い方すんな笑」
聞く人絶対間違えたって、これ。
「案外近くにある、とは言っておく。…場所で言うなら、左ちく」
「おい、自分の店で何言ってんねん」
…間違いなく、間違えた。
580人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナナセ(プロフ) - suu1_____9ndさん» コメントありがとうございます。 王道の壁ドンはどこかに絶対入れたくて!笑 キュンキュンしてもらえてよかったです! 続きもどうぞお付き合いください◎ (2020年11月18日 16時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
suu1_____9nd(プロフ) - いつもキュンキュンさせてもらってます!(^^)壁ドンしてる姿想像したら余計にやばかったです!続き楽しみにしてます!! (2020年11月18日 11時) (レス) id: 8b2b24014b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ちずさん» コメントありがとうございます。頑張ってキュンキュン詰め込んでおります…!笑 ゆっくり更新ですがどうぞお付き合いください〜◎ (2020年11月10日 10時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
ちず(プロフ) - お話読みました!!やばいです!!1秒ごとにキュンキュンしてます(//∇//) (2020年11月10日 0時) (レス) id: 2d676ccb1c (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - かこさん» こちらこそリクエストありがとうございました。一応自分で本編を読み返したのですが、当時の彼ららしさが出ているか心配だったので、こうしてご感想を頂けて嬉しい限りです◎ (2020年11月1日 23時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナナセ | 作成日時:2020年10月30日 10時