#25 ページ25
「桐山先輩、ちょっと良いですか？」
ここ数日、神ちゃんはご飯を少なくよそって、と言う。
最初はそんな日もあるかなと思ったけど、それも三日続くようじゃ少し心配。
最早担当を超えてオカンやな、と心の中で思う。
「何？神山センセのこと？」
「はい」
説明をすると、桐山先輩は苦笑い。
「グミ、やな」
「はぁ…。グミ、ですか？」
別に何か答えを想像していたわけではないけど、流石にそれは違くない？と思ってしまう。
「今日プラごみ見てみ？グミばっかりやから」
あまりにも当たり前のように断定するから、多分そうなんだろうけど…。
「でも、まずいで」
「何がです？」
神ちゃん甘いもの好きやし、お菓子の食べ過ぎでご飯食べれないというのも軽く受け入れそうになった時、桐山先輩の顔が曇る。
「神ちゃんがグミを過食するのはスランプの時」
「スランプ…」
思い出すのはここ数日の彼の姿。
漫画を読み漁っていた次の日からは、パソコンにこそ向き合っているものの、確かに筆の進みは良さそうではなかった。
「そういう時ってどうすれば良いんでしょう」
「幸い締め切りはまだやし、大抵ちょっとしたら抜けてるから大丈夫。急かしたあかんで」
桐山先輩は、どこか遠くを見る目をする。
多分、神ちゃんのことを想ってるんやろな。
「あの子は頑張り屋やから。無理だけはさせないでな」
期待してる。
そう言う桐山先輩に、俺が神ちゃんに好意を寄せていると報告したらどうなるんやろ。
「好きならちゃんと支えてやれ」
「え、」
心を読まれたみたいなタイミングに、素っ頓狂な声が出る。
「お前が新入りの頃から面倒見てんねんから、そんくらいわかる」
「……」
「生半可な気持ちやったら許さへんけどな」
「そりゃ、もう、そんなんやないです…」
彼の元を訪れるたびに募る想い。
やけど。
「…俺って、王子様になれると思いますか？」
好きの気持ちが強くても、自信が伴うわけではない。
「あんなぁ、それはもんちが決めることで重岡や俺が決めることやないやろ」
ちょっと呆れたように言う桐山先輩。
「少なくとも。あの子はそうやってうじうじしてるやつは好きやないと思うけど？」
「…はい」
ばしん、と叩かれた背中が少しジンジンする。
そのちょっと強すぎる激励に、俺はしっかりと頷いた。
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ナナセ(プロフ) - suu1_____9ndさん» コメントありがとうございます。 王道の壁ドンはどこかに絶対入れたくて！笑 キュンキュンしてもらえてよかったです！ 続きもどうぞお付き合いください◎ (2020年11月18日 16時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
suu1_____9nd(プロフ) - いつもキュンキュンさせてもらってます！(^^)壁ドンしてる姿想像したら余計にやばかったです！続き楽しみにしてます！！ (2020年11月18日 11時) (レス) id: 8b2b24014b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ちずさん» コメントありがとうございます。頑張ってキュンキュン詰め込んでおります…！笑 ゆっくり更新ですがどうぞお付き合いください〜◎ (2020年11月10日 10時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
ちず(プロフ) - お話読みました！！やばいです！！1秒ごとにキュンキュンしてます(//∇//) (2020年11月10日 0時) (レス) id: 2d676ccb1c (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - かこさん» こちらこそリクエストありがとうございました。一応自分で本編を読み返したのですが、当時の彼ららしさが出ているか心配だったので、こうしてご感想を頂けて嬉しい限りです◎ (2020年11月1日 23時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年10月30日 10時
