番外編 #02 ページ19
「あの、ほんますんません…お風呂まで頂いてしもて」
結局、アパートは全焼。
火が回らないうちに住居内に居た人は避難して、怪我人一人居なかったらしい。それはほんまに良かった。
とはいえ、そりゃ命が一番大事なのは間違いないけど、住む家がなくなってしまってはどうしようもない。
どうしたものかと途方に暮れていた金髪少年に声をかけて、一先ず今日は俺の家に泊まらせることにした。
名前と、専門学生であること、親元を離れて件のアパートに住んでいたこと、奇跡的に記帳するために通帳は手元に持っていたこと…などを聞いて、俺は先に彼を風呂に入らせた。
「いいえー。なんや君、放っておいたらそのまま野垂れ死しそうで心配やってん」
髪の毛も心なしか艶が少ない気がするし。
腕も足も細くて、目の下には、先ほどはコンシーラーで隠されてたんだろうクマもあった。
「ちゃんとご飯食べてる？睡眠時間は？」
「オカンみたいなこと言いはりますね。食べてますし、寝てます」
「ほんまにー？」
怪しいな、とは思いつつ夕ご飯を出す。
快適な生活を求めてちょっと広めの部屋を借りたから、食費はそんなにかけたくない。
せめて自炊くらいは、と頑張ってるところ。
家に入れた時点からもしかしてご飯しっかり食べれてへんのかなと思ったから、ちょっと優しいものを。
一人暮らしお得意の鍋の素で作るスープ。
(これだと夜と朝に分けれるから一人でも数人用の鍋の素を消費できて便利。)
「食べれそうやったら、食べて」
「ありがとうございます」
ジロジロ見つめても食べにくいやろから、なるべく見ないように努めて食べる。
「美味しいです」
「ほんま？良かったぁ」
「…ご飯、ちゃんと食べれてないのやっぱりバレました？」
「んー？」
態とらしくとぼけると、彼は困ったように笑った。
「作ってくれた料理が消化に良さそうやったから」
「まぁ、ちょっと意識したかなぁ」
「ですよね、ありがとうございます。最近、バイトのシフト増やしたんですよ」
したら、思ってたより忙しくなって…って、言い訳ですよね。
苦笑いしながら、彼は再びスープに手を伸ばした。
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たや(プロフ) - ナナセさん» 了解いたしました。ありがとうございます（ ; ; ） (2020年8月13日 23時) (
レス) id: 55e5f617c0 (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - たやさん» 夜分遅くのお返事になってしまってすみません。たや様は18歳を超えておられますか？フラグ付き作品となりますので、18歳未満の方は閲覧できません。18歳以上の場合、マイページの設定下部にあるコンテンツの設定を今一度ご確認頂ければと思います。 (2020年8月13日 23時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
たや(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいております。夏、君と恋に落ちる。の閲覧をしたいのですが探しても出てきません（ ; ; ）どうしたら見れますでしょうか。 (2020年8月13日 21時) (レス) id: 55e5f617c0 (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - なんさん» コメントありがとうございます。続きを待っていてくださる読者様の存在が本当にモチベーションに繋がっています◎ 次回作もお楽しみいただけましたら幸いです。 (2020年7月26日 16時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
なん - 連載おつかれ様でした。続きをいまかいまかと楽しみにしながらドキドキしながら読ませて頂いてました！ナナセさんの描くjw作が一番好きです。作品作りを継続して下さりありがとうございます。次回作も楽しみにしています^^ (2020年7月26日 14時) (レス) id: fc58f71f61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年7月13日 16時
