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「暇なんやけど」
ぶつくさ言いながらも再び寝ていた神ちゃんは、ようやっと熱も下がり始めてきたようで。
小一時間寝たあたりで目が覚めてしまったらしく、寝転がってるからええやろと言わんばかりに話しかけて来る。
「そのうち眠くなるよ」
「ならへん。さっきまで寝てたし」
だいたい子供じゃないんやからそんなに寝れへん！と文句を言う神ちゃん。
元気そうでも熱はかったらまだ普通に37度後半。
ここはどうにか大人しくさせておきたい。
「大人でも眠い時は眠いで」
「それは流星だけや」
んなわけなかろうて。
たしかに人より寝る自覚はあるけど。
「何か思い出話でもする？」
「する！」
「こら、起き上がらんの」
まったく、油断も隙もあれへん。
・
思い出話っつったって、高三の同窓会がこの間あったもんやからあんまり懐かしくないのが本音。
そうするとどんどん懐かしさを求めて昔の記憶をたどっていくわけで。
「第一印象の話、とか？」
久しぶりの対面なんてものがほとんどなかった俺たちは、自分たち自身の思い出話をすることは滅多になかった。
一応、上京してきた時は久々っちゃ久々やったけど…同窓会で会ってるから二年くらい？
しかも連絡とってたし。
「俺覚えとるよ。クラス分けの表見れなくて人が引くの待ってる神ちゃん」
「え、会話する前はずるない？」
「ずるいって何が笑」
「無防備やから」
一目惚れではなかった。
いや、たしかに綺麗な顔だと思ったし、今も常々可愛いと思ってるけど。
「最初に話した印象は…人見知りなんやなって。ちょっと無愛想やった」
「それはしゃあないやん。流星もホームルームの挨拶、めっちゃ怖かったで？」
「朝やからなぁ」
俺も最初の方はかっこええって言われてちょっとチヤホヤされたんやで？
天然なのがバレて、俺の横には世話焼きの神ちゃんが当たり前の光景になってからは推して知るべしやけど。
「俺、流星初めて見たときはめっちゃかっこええ人居る！やった」
「何それ、照れるやん」
結構本気で。
「今も流星の顔、好きやで」
好きな人にこんなこと言われて、(しかもベッドの上で！)動揺しないやつ、居る？
「…おーきに」
でも神ちゃんにとって俺は友達で。
それ以上にはなれないわけで。
こんなに嬉しくてしんどい褒め言葉、初めてや。
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ナナセ(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます。シークレット。からお読みいただいているのですね！嬉しいです◎ 移行後もお楽しみいただけましたら幸いです (2020年7月13日 16時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - シークレットから読んでます。シークレットもとても好きなお話だったのですが、青緑が1番好きなので、今回のお話ほんとに大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年7月12日 21時) (レス) id: 56de8cf1c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年6月22日 16時
