#24 ページ24
『見てはいけないものを見てしまった気がします』
そんな物騒な連絡が届いたのは夕方。
神ちゃんは今日、淳太先輩のところに行くって言っとったからそれ絡みやろな。
『淳太先輩、多分同棲してはる』
何を見たん？って返事する前に神ちゃんから送られてきた次の文章。
やけどその内容に俺も思わずびっくりしてもうた。
『同棲って何？部屋から彼女でも出てきた？』
『いや、ペアカップ』
曰く、黄色と橙色の色違いのカップで、ご丁寧にも二つを合わせるとハートが浮かび上がるデザインだとか。
『部屋も一人暮らしにしては広いなって思っとったんやけど、どないしよ』
いや、どないしよって何やねん、と思っていると斜め上のぶっ飛んだ回答。
『俺がご飯作っててええんかな？』
戸惑ってるクマのスタンプまで送られてきた。
「……え、そこなん？」
てか、普通に彼女と同棲してるならいくら家事やって欲しくても他人を家に上げなくないか？
二人とも忙しかったり、二人とも家事が苦手だったり、事情はあるかも知らんけど…。
『普通にもう別れてるんちゃう？』
こっちの方がどう考えても可能性高いやろ。
『えー』
そんなん聞かれへん、ってまぁ、そやろな…。
『別れてるんか冷め切ってるんか知らんけど、淳太先輩は結局いつも外食なんやろ？手料理、週一で食べて貰えばええやん』
やっぱり淳太先輩のことになると乙女みたいな神ちゃんに、微笑ましいと思う反面、嫉妬してしまう気持ちもあるわけで。
『たまには俺にも神ちゃんの料理食べさしてや』
負け惜しみのような文面も送った。
・
『ともの手料理です』
『ともです』
いやいや。
『ともです』
待て待て。
「神ちゃんの写真、２パターンで送ってくんなや！！」
(ちなみに一枚目はご飯を運んでくるところ。可愛い。)
(そして二枚目は撮られてることに気づいた神ちゃんが焦ってスマホを奪おうとしてるところ。可愛い)
交換したことすらも忘れていた重岡さんの連絡先。
この間美容室行った時に、神ちゃんが「大毅さんが連絡先交換したいって言っててんけど、流星のアカウント教えていい？」って聞かれて。
俺と交換して何かいいことあるんやろかと思いながらオッケーした。
やけど特にやり取りすることもなく。
まじで何のために交換したん？と疑問に感じたのは最初の1日だけで、そのあとは完全に記憶から抜けてた。
…こういう使い方してくるんか。
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ナナセ(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます。シークレット。からお読みいただいているのですね！嬉しいです◎ 移行後もお楽しみいただけましたら幸いです (2020年7月13日 16時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - シークレットから読んでます。シークレットもとても好きなお話だったのですが、青緑が1番好きなので、今回のお話ほんとに大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年7月12日 21時) (レス) id: 56de8cf1c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年6月22日 16時
