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「じゃあ次会うのは美容院くる時かな？」
「そやね。…あ、淳太先輩のこと、どうなったか連絡してや」
その言葉に頷いて、改札へ行く神ちゃん。
俺は地下鉄の駅に向かうべく、背を向ける。
そういや、結局重岡さんのこと聞き損ねたな…。
「あ、」
噂をすればなんとやら、現れたのは重岡さん。
「ん？」
すっげぇ目で見られた。
そりゃ急に自分の顔見て、「あ！」なんて言われたら怖いか。
「あの、この間神ちゃんを家に送った者です」
「…あぁ、フジなんとか君な」
「藤井です」
ちなみに、“まだすぐそこに神ちゃん居るはずですよ”なんて言ったら逃してしまうのは明らかだから言わない。
「あの、タクシー代のお釣り払わせてください」
「え、別にいらんよ」
ふるふると振る手首から覗くのは高そうな腕時計。
スーツもブランド物なのが一目でわかるほどきちんとした生地。
金には困ってませんよ、ってか？
「俺が嫌なんで。受け取ってください」
「なんやその言い方、ともそっくりやなぁ」
埒があかないと思ったんだろう、重岡さんはちょっと困ったような顔で封筒を受け取る。
(使っちゃわないように封筒に入れて財布にしまってた)
「じゃあこの金でともの好きなケーキ買って帰るわ」
「は、！？」
「ん？」
「いや…」
自分、わかりやすいってよう言われるやろ。
ニヤニヤしながら言われて、まぁ我ながらわかりやすい反応してしまったし、仕方なく頷く。
「んふふ、青春やなぁ」
じじくさいこと言うわぁ…。
「年、いくつ上なんですか」
「ん？俺？俺はともと３歳差」
じゃあ俺とも３歳差やん、神ちゃんでワンクッション置くなや。
「サラリーマン？」
「ズケズケくるなぁ。…私、こういうものです」
ささっと取り出された名刺。
シンプルなデザインには法律事務所の名前。
「こう見えて弁護士やってます。どう見えるんか知らんけど笑」
なるほど、これがビジネスマナーに詳しい職業か。
「藤井くんも何か困ったことあったら連絡してや。友達割で安くするし」
「あ、ありがとうございます？」
じゃあ！と軽く手を上げてそのまま駅の方へ向かっていく彼。
なんというか…苦手なタイプ。
……単に嫉妬か？
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ナナセ(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます。シークレット。からお読みいただいているのですね！嬉しいです◎ 移行後もお楽しみいただけましたら幸いです (2020年7月13日 16時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - シークレットから読んでます。シークレットもとても好きなお話だったのですが、青緑が1番好きなので、今回のお話ほんとに大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年7月12日 21時) (レス) id: 56de8cf1c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年6月22日 16時
