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「うわぁ〜！皆めっちゃ久しぶりやん！」
部屋に入った瞬間、俺の隣で神ちゃんは嬉しそうに声をあげた。
「神山！藤井！」
「二人とも髪の毛金やん！いかつぅ！」
「神山、やっぱり背ぇ伸びなかったんや」
「あれちゃん？藤井に吸い取られてるんちゃん？」
「ちょっとは伸びたわ！」
「えぇー？わからへん」
そのまま囲われてあれよあれよと言う間に神ちゃんは攫われていった。
さすが男子校のマドンナ…。
同窓会の場でもそれは全く変わらん。
俺は輪に入ることもできず、遠目から神ちゃんを見つめる。つまらんわ。
「なぁ神山、最近どうなん？ちゃんと彼女出来た？」
「ちゃんとってなんや、ちゃんとって！…ついこの間別れたんよ。傷心やからやめてやぁ」
「お！慰めたるからこっちおいでや」
「やめとき神山！こいつお前のこと狙ってるで！」
うん、つまらん。
全部込みでネタやってわかっててもつまらん。
ジトッとした目でかつての同級生たちを見つめるとそれに気づいた一人が声をあげる。
「神山のセコムが怒っとる！」
「誰がセコムじゃ！」
「でもすごいよなぁ…今は神山の美容院でカットモデルもしとるんやろ？ほんまに仲ええわ」
その言葉にこくりと神ちゃんは頷く。
「流星がモデルしてくれてから、店の集客率増えたんよ。ほんまに流星には助けてもらってばっかりや」
「そんなこと言うたら俺かて神ちゃんに助けられとるよ？」
「あーあー、“りゅかみ”トークやめてくれー」
「お前らガチで付き合ってるんちゃん？」
中高一貫校で6年間、クラスがずっと一緒やった俺と神ちゃんはいつのまにかカップル扱いをされ、“りゅかみ”と呼ばれてからかわれた。
これも男子校特有のノリ。
「やめたって！流星、今彼女居るんやから…」
真面目な顔して怒る神ちゃん。
ほんま、こういうところがマドンナ扱いされる所以だって本人は気づいてるんだかいないんだか。
「別れたで」
「え！？」
「やから、別れた」
「は？なんでなん、聞いてへんし！」
「やって言ってないもん。神ちゃんが失恋して落ち込んでるのに俺のことまで知ったらもっと落ち込むやろ？」
「それ前の彼女の時も言われた気ぃする」
「えぇ？覚えてへん」
……嘘。
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ナナセ(プロフ) - はるさん» コメントありがとうございます。シークレット。からお読みいただいているのですね！嬉しいです◎ 移行後もお楽しみいただけましたら幸いです (2020年7月13日 16時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - シークレットから読んでます。シークレットもとても好きなお話だったのですが、青緑が1番好きなので、今回のお話ほんとに大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年7月12日 21時) (レス) id: 56de8cf1c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年6月22日 16時
