#06 ページ6
「神ちゃん、ほんまさぁ」
「いい。聞きたくない。わかってる」
「っ〜もう！」
普段温厚な流星が珍しく物言いたげで。
でも言われることに嫌ってくらい想像つくから、俺は耳を塞いだ。
「あっくんも何か言ってやってや」
「えぇ？あたしは叱る気ないわよ。モンチらしいやん」
「惚れっぽすぎるねんほんま。ろくでもない男ばっかり」
「別に先輩はろくでもなくないし…」
ぎろり、と睨まれる。
端正な顔立ちの人ほど怒った顔が怖いのはなんでやろか。
「結婚から逃げるために身代わりで付き合ってるフリしてくれっていう男のどこが“ろく”なん？」
「そんな怒らなくてもええやん…」
「毎回辛い思いして泣くの神ちゃんやんか。で、それ慰めるのが俺。今言うてるのは未来の俺のために____」
「もうわかった、わかったから！流星には迷惑かけへんって」
そうやけど、そうやない…とぶつぶつ言う彼のことは放っておく。
あっくんが俺のオカンなら、流星は俺のオトンなのかな。同い年やけど。
「まぁ流星も流星で男の悪いところ、たくさん見てきてるからなぁ。今言うてること全部正論」
男女問わずに春を売る彼は、色々な人の話し相手になる。
多分、男に苦労した女の人の話だけやなくて、それを武勇伝かのように語る男の人たちの話も聞いてきたんだろう。
「それに。モンチが選んだ相手にケチつける気はないけど…なかなかしぶとそうね。何せ最初の発言があれやから」
あっくんはあっくんで、あの発言を引きずってるみたい。
「……まぁ先輩の頭に、男同士で恋人になるって考えは1ミリもなさそう」
「やろ？自ら傷つく道に行かなくてもええやんか」
流星の言葉に素直に頷くことはできなくて。
だって好きになってしまったもんはしゃあないやんか。
俺やって、勝ち目ないことわかってる。
わかってるから期待してないし。
でもただこの一ヶ月だけ、ご褒美みたいなもんやと思って。
それくらいならバチ当たらんやろ？なんて。
見る目ないことも、男運ないことも、自分が一番わかってる。わかってるよ。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
