#47 ページ47
「先輩のことが好きです。意味わかんない修羅場に巻き込まれても嫌いになれないし、それが終わっても、隣にいたいって思う」
「…っ、ほんま？」
「嘘ついてどうすんねん、ほんまです」
先輩はぱちぱちと瞬きをした後、ぎゅっと自分の頬を摘んだ。
古典的すぎるその確かめ方に思わず笑ってしまう。
「っあー、いや、そっ…かぁ…」
「なんですか？」
「嫌われてないって自信はちょっとあったけど、両想い、かぁ」
神山優しいから、好きって言ったらじわじわ好きになってくれへんかなーとか色々打算あって…と先輩も緊張から解放されたのか饒舌になっていく。
「じわじわも何も、俺結構長いこと先輩のこと好きでした」
「いーや、それは絶対負けてへんで？」
「じゃあなんで先輩の無理難題オッケーしたと思います？」
「ぇ、そん、」
「そん笑」
ほんまはその二日後のことやけど、ほとんど誤差やと思う。
先輩がいつから俺のこと好きになってくれたかは知らんけど、多分最初はほんまにただただ恋人のふりに適任だったってだけ。
「…うれしい」
「俺もです」
実感は遅れてやってくる。
急に恥ずかしくなって思わず俯いた。
「神山、こっち見て？」
「……今顔赤いから嫌や」
答えると、先輩の手が俺の顎を掬った。
俺に負けず劣らず熱い。そのことに少し安心する。
「んふふ、かわええ」
「先輩も似たようなもんですよ」
急に優しい顔して微笑まれるからなんやかもう、泣きたくなる。
見たことない表情。
俺が、ただの友達って諦めてたら一生見られなかったはずの表情。
そっと、瞼を閉じる。
「……あ！餃子！」
「へ？」
「餃子食べてもうた！」
…今の、絶対キスするところやった。
じとっとした目で睨んでも、ニラがニンニクがと先輩はあたふた。
「絶対今日告ろうと思ってたのに…」
「ならなんでリクエストしたんですか」
「一緒に作ったら楽しいやろなって、つい」
ため息をつくと、先輩は肩をきゅっと縮こませる。
「…同じもの食べてるんやからええやん」
「えっ」
「してくれないんですか？キス、」
「……っ！」
触れ合った唇は、俺の大好きなアイスの味がした。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
