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「えっ神山上手すぎひん？」
「先輩やってまぁまぁ上手やんか」
「まぁまぁって！」
話しながらも手は動かす。
包み終わった餃子はすぐに山になっていく。
「家で作ること多かったんです。淳太にぃが餃子好きで」
「へぇー」
不器用やから、皮破ったりとかなかなか事故りまくりやったなぁ。
先輩も、淳太にぃと比較して上手いという話やから、世間的な腕前はよくわからない。
「神山苦手なことないん？なんでも器用にこなすし、ゲームとか」
「泳げへんのと、球技…高いところも」
「んふふ、意外とある。笑」
くすくすと先輩が笑う。好きやなって思う。
いたずらっ子みたいなえくぼが浮かぶ笑顔は多分、心を許してくれた印で。
やって、職場で見るよりずっとリラックスしてる。
「あ、破けた」
「餡詰めすぎなんですよ。先輩の、パンパン」
「はいはい、文句言うなら俺が包んだのは食べないでくださーい」
「文句やないです。パンパンなの美味しいから先輩の食べます」
「なんやねん、もう笑」
最後の一枚を求めて手が重なる。
「ごめん、神山の方が上手いから最後お願いします」
「根に持つやん…」
「俺は神山が包んだの食べたい。ね、お願い」
そんなん言われたら断れへんし。
見られてるのが緊張して、ひだが少し縒れる。
「……」
「これいっちゃん最初に食ーべよ。神山の不器用珍しい」
・
餃子が焼けるのを二人でじっと待つ。
パリパリになったら、あとはひっくり返すだけ。
「そういや、先風呂入らなくて良かったん？」
「あー…家帰ろうかなって思ってました」
「何か用事？」
「いや、単に自分から泊まりたいって言えるほどの図太さないっていうか…」
なんやねんそれって笑われるけど、俺的には“空いてる日ありませんか？”が精一杯で。
先輩の家に行くことになったのも話の流れっていうだけ。
それやのに、張り切ってお泊まりの準備をするのは多分俺やなくてもなかなか厳しいだろう。
「神山がいいなら泊まってって。そのつもりで明日の朝用にパン買ってもうたし」
「じゃあ、はい。お言葉に甘えます」
お互い水に流したとはいえ、キスしたいって迫ったのにな、とか。
このやりとりもあっくんと流星に話したら、“無意識が一番罪”とか“神ちゃんの恋心弄ぶな”とかやいやいクレームが入ると思う。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
