#36 ページ36
「あー！もう焦ったいわね！モンチが一生懸命誘ってるんやから体差し出しなさいよ！」
「いや酔ってるところを手出すようなやつに神ちゃん渡したくない」
相も変わらず外野は言いたい放題。
人に話すと大胆なことをしてしまったという後悔とか、恥ずかしさが後からじわじわやってきて。
「あーもう生き急ぎすぎた…友達でいる覚悟とか言うたのにほんま…」
「アルコール入ると判断力鈍るよな、アクセル全開ブレーキなし。ようある話やん」
流星が俺の肩を叩く。
あまり慰めにならないのは、言い方が軽いからやろか。
「でもさ、相手さんも拒絶してないわけやろ？やなきゃ素面の時にもう一回なんて言わへんよな？」
「あ、あっくんナイス。それ俺も聞いてて思った」
「んー…でも先輩もお酒入ってたし。優しいからその場を濁しただけかも」
それって優しさなのかしら、とあっくんは苦笑う。
「優しいなら、テンション上がって変なこと言っちゃいました、だからもうお互い忘れましょうねの方向に持って行くと思うの。わざわざ掘り返して、直接お断りなんてことする？」
「俺が素面なら言わない自信でもあったんちゃう」
「結婚の申し込みすら上手く断れない人が、そんなリスク背負うやろか…あたしはなんだかんだ、脈あると思うわ」
他人事やと思って。
心の中で文句を言うも、言い返さないのは俺も若干期待してしまっているのかもしれない。
本気で嫌なら、そもそも女の人を撒くために先輩からキスだってしてこなかったはず、とか。
「…でも今までならそのままなし崩しやったから、もう手出してこない時点で脈ないなって思っちゃう」
「それは…神ちゃんの今までがアレすぎたっていうか…反応してなかったって言ってたけど、キスすらしてないのにぶち上がってる方が普通は怖いって」
神ちゃんのその感覚ほんまに心配。そう言って流星は眉を下げる。
「まぁそやけど…そーなんやけど…」
ぐるぐる考えたってキリがない。
俺のため息に重なるように、メッセージアプリが音を立てた。
『神山、今から家来れへん？』
脳みそ全部を支配していた先輩からの連絡に、肩がびくりと跳ねる。
それを二人が見逃すはずもなく。
「なになに？モンチ、誰からの連絡？」
「そんなん絶対先輩に決まってるやろ。なんて？」
「……なんにも」
先輩はまた、ゲームしようって言うんやろか。
気まずくならないため？俺のこと試してるん？
わからなくて、スマホの画面をそっと伏せた。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
