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“俺、神山の家知ってるんで大丈夫です。心配やし送っていきます”
その言葉にくすぐったいような優越感を覚えてしまった。
きっと悪酔いしてるのかもしれない。
「外出たらちょっと覚めた？」
「別にそんな酔ってないですって。おれ、一人で帰れます」
「あかん。首まで真っ赤やもん」
そう言って先輩の手が首元に伸ばされる。
触れるか触れないか、それくらいの距離でハッとしたように先輩が口を開いた。
「っ、飲みすぎると良くないで。肝臓、悪くなっても知らんからな」
「先輩に言われたくないです。俺普段は飲まないので」
「免疫ないからこんななるんよ…もうほんま心配」
これは何言っても多分だめや。
先輩の家から帰る時やって、いつも送ると言って聞かなかった。
「階段、気ぃつけて」
今度は俺の一歩前。
隣に無理やり詰めて入ったら、先輩なんて言うやろか？
勇気なくてそんなん、できひんけど。
「ほんまに送ってくれるんですか」
「うん。言うたやろ？」
「電車なくなってまうかも」
「そしたら適当にどうにかするわ。神山が泊めてくれたらな、一番嬉しいけど」
今どんな表情してるんやろ。
気になって、思わず覗き込む。
「…友達との距離とかもうよくわからんわ。健全にゲームでオールするんやったら泊まりたいって言うてもええの？」
「この前の…、すみません気ぃ遣わせて。うちからやとタクシーもお金かかるでしょうし、終電逃したら全然泊まっていってください」
後悔した。
困ったように笑う先輩を見たら、いろんな感情が溢れてきてしまって。
撤回したい。自分勝手に上書きして、ぼやけてしまった先輩とのキスを思い出したい。
ほんまにわがままで、どうしようもなくて、
・
飲んだのはちょっと。
そこまでお酒は回ってない、はず。
「神山、もう着くよ」
やけど気づいたら先輩の肩にもたれかかって爆睡してた。
「電車乗った途端すぐやったな。疲れてる？」
「っ、すんません」
先生の夢を見た。
“我慢ばっかりさせてごめんな”って、“神山はいい子やからわかるやろ？”って、何度も言い聞かせられる夢。
それは、ただの思い出。
「水買って帰る？」
「大丈夫です、家にお茶冷やしてある」
いい子でいたい。先輩に迷惑かけたくない。
でも、思い切りわがままを言いたい。先輩を困らせたい。
俺だけを見てて欲しい、
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
