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『いっそ清々しいな。ええやん、恋人ごっこ付き合ってやれば』
『神ちゃん、いろいろ経験たりてないんやし』
重岡先輩の暴走の数々に、思わず流星に泣き言を送った。
ら、およそ慰めにもならない言葉たち。
「流星が経験豊富なだけやん」
スマホの画面にデコピンをお見舞いしてから閉じる。
先輩は誰かと付き合うことが久々やって嬉しそうにしてたけど、俺は久々とかやないし。
「神山ー、もう終わる？」
「あ、はい」
「一緒あがろ」
…久々とかやなくて、ほとんどはじめて、やし。
あっくんと流星が口を揃えて言うには、俺の男運は皆無らしい。
確かに、幸せな恋愛みたいな記憶はないし、正式なステップを踏んで関係を持った記憶もない。
あんなにちゃんと告白されるのも、ほとんど初めてに等しい気がする。……あれをちゃんとした告白とカウントするのかは置いておいて。
「神山、ゲーム好きやろ？俺ん家ゲーム機あんねん」
「そうなんですか？」
「発売されたばっかの時はよっしゃ！って思って買ったけど、忙しくてほとんどそのまま。ゲームするのも体力必要なんやなぁってこの歳になると思う」
初デート、なんやろか。
もし仮にそうだとして、それが家ってどうなん？
夕飯の買い出しがしたいと言う先輩の後について、スーパーの中へ。
自炊するタイプなんや。野菜とか、ちゃんと買ってる。
「俺、どんなに忙しくてもゲームする時間は絶対取ってますよ」
「さすがやな。どんなんやるん？」
ゲームの名前を上げていけば、“それ俺もやった”とか“へぇそんなんあるんや”とか、律儀に反応してくれて。
「好きって聞いてたけど、まさかここまでとは思わんかったわ」
「もう好きなもんはとことん突き詰めるタイプなんで」
「ふふ、でもなんか神山ぽいわ」
職場での世間話の延長線。
変わらない先輩の雰囲気に、つめていた息を吐いた。
今までの相手が相手だったから、家と聞いてなにかを想像していたことは否定できない。
「一人暮らしやと色々持て余さへん？」
「え？」
「葉物とか、ちょっと使ってそのまんまやから気づいたらへたってる」
「あー…俺は結構作り置きするんで、生野菜は気にならないかも」
キャベツをしげしげと見つめる彼を見ていたら、なんだかわらけてきた。
色気より食い気、こんなにも体現する人がいるなんて。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
