#28 ページ28
「…まぁ神ちゃんはもう少しわがままになってもええと思うけどな」
流星の言葉に、あっくんがぶんぶんと強く頷く。
「ずっと気になってたのよね。モンチのその欲のなさ」
「あー…あっくん知らないんやっけ。神ちゃん、中学生の時に大失恋してんの」
「ちょっと流星、何勝手に」
咎めるも、“知りたい！聞きたい！”と熱烈な合いの手が入ってきてしまう。
「…やって。話してええ？」
「……面白いもんでもないけどな」
本当に、面白さのかけらもない。
中学生と先生の不倫なんて、誰も本気の話とは思わないやろし。
「生徒と教師っていうのも、教師の方が既婚者っていうのも、もう既に役満やんか？俺も神ちゃんから聞いた話しか知らんけど、相当我慢強いられてて」
今になったら、ザ・都合のいい男の扱われ方やってわかる。
けど、初恋がそれじゃあ、恋愛ってこういうものなのかって思ってしまう。
「自分を二の次にしてでも相手に尽くすことこそ、愛って神ちゃんは思うようになってしまったんよな。やから未だにダメ男を製造し続けてる。てか、俺が初めて会った時なんてヒモ飼ってたし」
「あーなぁ、そやった」
「しゅんくん、元気かね」
「新しい子見つけてるんちゃう？犬系男子、男女問わず需要ありまくりやろ」
久しぶりに思い出したその人を、正しく思い出として認識できる。
振り回されてばっかりだった恋でも、喉元過ぎれば何とやら。
…結局、同じようなこと繰り返してしまうのは馬鹿らしいと思うけど。
「神ちゃん。もし、もしやで？先生に会えるとしたらどうする？」
「え…？」
俺との関係がバレて、先生は遠い田舎に引っ越したと言っていた。
離婚せずに済んだのは、あまりに離れた歳の差に奥さんが本気ではないと判断したかららしい。
「たとえばの話やん。こう…ぶん殴りたいとかさ、文句言ってやりたいとかさ」
「元気にしてるならそれで十分やな。先生もきっともう歳やろ？健康に長生きしてほしいなぁ」
「そ、れはそうかもしれへんけど！…会いたくない？」
「んー…家族で幸せそうなところ見たら色々思っちゃうかもしれへんけど、先生とだけなら、最後に一目見たいかも」
本心を答えると、流星は頷いた。
相変わらず、わがままを言わないいい子ぶりっ子だと笑われたけど。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
