#27 ページ27
「それで？どっち選んだん」
あっくんの容赦ない言葉が刺さる。
どっちも選べてない、から、まぁ実質友達みたいなことを続けてる。
「梅干し食べた時の顔してる笑」
「流星うるさい、全然力になってくれなかったくせに」
「でもなぁモンチの話聞いてる感じ、解決策見つけるのも難しいで」
「やろ？それずっと聞かされてんで。途中から酔ってきたのか同じ話しかせぇへんし」
はぁ、とため息をつかれると言い返せない。
たしかに飲み始めてからは若干会話が噛み合わない瞬間もあったような。
「…こういうの面倒やから嫌やねんなぁ、恋愛って」
「まぁ気持ちはわかるけどね。まして同性ってなると告白のハードルがぐっとあがるし。けどモンチ、あんまり投げやりになったあかんで」
あっくんの言わんとしていることはわかって、曖昧に頷く。
男運ないって言われるけど、俺も俺で色々と簡略化したがる癖があるから。
相手に恋心以外の情が湧くの、シンプルに辛い。
友達みたいな恋人って、別れた時に失うものが大きすぎる。
「センパイも酷なことするよなぁ、まぁ神ちゃんがそれだけ気持ち隠せてるってことやろけど」
「あたし、好きな男に泊まられたら即食べちゃう自信あるわよ」
「もぉあっくんやめてや笑」
ガブガブと動かした手のひらが俺の頬を容赦なく摘む。
俺たちの感覚では割と、泊まる=オッケーみたいなところあるけど、先輩の頭に男同士でどうこうなるって発想は皆無やろから。
「俺が心強くして、友達ごっこずっと続けていくのが一番丸いんやろなぁ」
「で、誰かに夜中電話して愚痴ったりな。半泣きになりながら」
「泣いてへんし！」
「あたしんところでたんまり飲んでも良いのよ？一回くらいならツケでいいし」
慰められてるのか揶揄われてるのか微妙にわからん言葉を左右からいただく。
優しさってことで、ええんよな？
「実際、ほんまに何もなくて。あぁ多分男友達ってこういうことなんやろなぁって思う。好意とか下心とか一切なしの、ただの友達」
「俺と神ちゃんみたいな？」
「流星はでっかい息子みたいなもんやから…」
「えぇ俺が神ちゃんの面倒見てるつもりだったんやけど」
それは初耳。俺の部屋散らかしてばっかりの人が言えるセリフとは到底思えへん。
「いつか先輩と、そうやって普通の友達でいるのが当たり前の距離やと思えるようになりたい。そうしたらもう地獄だなんて思わなくて済む」
俺の言葉に二人は困ったように笑った。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
