#25 ページ25
「なら泊めてくれたらええのに。ただの友達にそこまではできひん？」
「っ、シーツ…洗濯中で」
真っ直ぐ見つめられると困る。
適当な嘘もつけなくて、そのまま事実を告げる。
これじゃあシーツさえあれば泊まってほしいと言ってるのと同じ。
もう先輩と俺を結びつける言い訳なんて一つもないのに。
「…お友達さん、泊めたんや？」
低い声。
怒られたみたいに肩が跳ねた。
「泊め、ました」
「っ…ほんま終電やばいな？走って行くから見送りは大丈夫。また明日、会社で」
「あ、先輩…、」
「片付けられんくてごめんな」
ほっぽってあった荷物を慌てて引っ掴むと、先輩はバタバタと忙しなく玄関へ向かう。
友人でいるよりただの先輩と後輩でいる方が楽。
最初から、そうなる未来しかないってわかってたのに。
「どっち行っても地獄とか、ほんま…」
・
『もう告白したらええやん。相手にボール渡せば悩むこともない』
「…相談する相手間違えたわ」
半日前まで一緒にいたのにまた電話かけてくるなんて、俺のこと好きなん？と、無駄なイケボで言うた流星。
相談相手流星しか居らんねん、こっちは。
絶対存在しない世界線、俺が結婚式を開くとしたらその時はスピーチ頼むで。
『ごめん、嘘嘘。でもさぁ、神ちゃんの言う地獄？ってなんなん』
「先輩の友達の座を頂いて恋心ひた隠しにする地獄と、好意がバレて拒絶される地獄」
『八方塞がりやん。てか二律背反やろ』
「にりつ…？」
神ちゃんって意外とアホよな、と本日の流星は非常に容赦ない。
『唯一残された道は先輩と晴れて付き合う、やろ？』
「俺にはハードル高すぎるて」
『なんでよ』
「先輩ノンケやし、モテるし、何で好き好んで俺と付き合うん。意外とアホな俺と」
『はぁごめんて。アホは撤回する』
それに、と言葉を続ける。
これはもうただの言い訳で、また流星に呆れられるってわかってるけど。
「もし万が一先輩にオッケーされても、俺幸せになれない気ぃする。割と物散らかす人やし。靴下とか、ソファの上でぽいって脱ぎ捨てるし、ペットボトルのキャップ半開きのこと多いし」
『へぇ、意外やな。話聞いてる感じ、しっかり者かと思ってた』
「俺の作るご飯美味しそうに食べるから、先輩にちょっと多く盛らなあかんし、惚れた弱みって言うん？俺、先輩に甘くすることしかできひんと思うし」
『うわぁ惚気パートやんきっつぅ』
別に神ちゃんの思うまま好きにしたらええのに、ってまた無責任な言葉。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
