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「あ…ご飯、二人分も作れる材料ない」
「お構いなく。俺が勝手に押しかけたんやし」
一応小腹満たしになりそうなものは買ってあるで、と先輩はレジ袋から食べ物を取り出す。
「神山ん家は酒もつまみもないやろ？」
「人ん家で晩酌する気満々ですか」
「まぁそら、ゲームしながらビールって最高やん」
俺的にはこの前のあれ、今生の別れくらいの気持ちでしたけど。
そんな、月曜の夜からノコノコと(失礼)来られると思ってなかったんですけど。
「彼女のことで困ってます？また何か手伝いましょうか」
「今日は神山のゲーム友達として来ただけ。もう面倒ごとには巻き込まんって約束したやろ？」
「なんか一ヶ月前よりグイグイ来る…」
「あかん？俺はせっかく仲良うなったんだからそのままで居りたい。神山やってまた遊びに来てもいいですよのスタンスだったやん」
あかん。
だって全然ちゃうもん。期限付きの恋人のふりと、ずるずると続く友達の関係。
「……結婚式の友人代表スピーチ」
「ん？何か言った？」
「いえ、何も」
浮かんだその未来を振り払う。
先輩、絶対他にたくさん友達居るし。てか居ってくれ頼む。
「おつまみ何か作ります。買って来たもの適当につまんでてください」
掴んだ胃袋を離したくない、なんて。
女々しいことを考えている自分に呆れてしまう。
・
「先輩、そろそろ電車なくなる時間です」
ゲームソフトを2、3本はしごして、俺の作ったおつまみは全部美味しいと平らげてくれて。
もう少し、と思う反面、泊めてしまったらいよいよ友人代表まっしぐらなんやないかと不安にもなる。
…そういえば先輩、なかなか家に人あげる機会ないって言うてたっけ。
「あっという間やなぁ。もうそんな時間か」
シーツをちょうど洗濯してることも大きかった。
泊まるための道具が欠けてしまえば、どうすることもできない。
流星ナイス、と心の中で呟く。
「駅までお見送りします」
「え、いらんよ。暗いから神山が家に戻るまでが心配」
「いつも歩いてますし」
「それ言うたら俺も、何度もここ来てたくさん歩いた」
「…もうちょっとだけ話したいって言うたら？」
先輩の瞳が揺れる。
言わなきゃ良かったかも。
アホみたいなこと口走ってしまったのはきっと、先輩から一口もらった期間限定の酎ハイのせい。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
