#23 ページ23
「…いつまで入り浸る感じ？」
「え？」
仕事を終えて家に帰ると、家を出た時とそのままの体勢でくつろぐ流星の姿。
「ごめんごめん。今日ちょうどこっちの方に用あったから、家帰るの面倒で」
「まぁええねんけどさ。夕飯二人分もないで」
「あー奢ってもらうから大丈夫」
珍しいな、流星がお客さんとご飯食べるって。
顔に出ていたのか、彼は言葉を続ける。
「仕事やないよ。人と会う約束」
「ますます珍しいやん」
「んーまぁな」
あ、これ踏み込んで欲しくないやつや。
煮え切らない返事に、意識して話を逸らす。
「会社の近くに新しいカフェができてんけど」
「うん」
「先輩にそこ行かん？って誘われた」
「よかったやん。明日とか天気ええし行ったら？」
え、驚かへんの？俺は相当驚いてんけど。
「今までただの先輩と後輩やったんよ？なんで二人でカフェ行くん」
「一度は付き合った仲やねんから、別に」
「それは…ノーカンみたいなもんやし」
先輩が何考えてるのかわからへん。
そら仲悪くはなかったけど、外でご飯行くようなほどの付き合いやなかった。
あんまり仲良くなりたくないな、
「あちらさんはただの先輩後輩じゃ満足できんくなったんやない？神ちゃん、可愛いから」
「それさぁ…」
「ほんまほんま。あっくんも言うてるやん。モンチッチみたいでカワイイ♡って」
俺は神ちゃんの自己肯定感爆上げ係やから、と微妙にギャルみたいな言い回しをして流星は家を出る。
「もっと自信持てばいいのに」
「そぉやな。来世には期待するわ」
流星が脱ぎ散らかした部屋着を洗濯カゴへ。
それから布団をたたみ直して、あー干すのは…夜やし…(今日も天気良かったんやから干しておいてくれても良かったのに)
「励まし6割、荒らし4割やな」
思わず笑ってしまう。
気が紛れたのは大変ありがたいけど、その代償の大きさときたら。
シーツだけは今日のうちに洗濯しよう、と引き剥がす。
あたふたと流星の抜け殻処理をしていると、ピンポーンと間の抜けた音。
まだ彼が出ていって10分くらいしか経ってないから大方忘れ物だろう。
急かすような二回目のピンポンを鳴らさなくなったところに僅かな成長を感じる。
「もう流星、何忘れたんー？」
「りゅうせい？」
「っあ、え、先輩…なんで」
「ごめん急に。ゲームしたいなぁって思って」
へら、と人好きのする笑みを浮かべられるとどうしようもない。
先輩って意外と人たらしよな、いや、惚れた弱みやろか。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
