#22 ページ22
「……よし」
開発部のデスクに行く前に少し深呼吸。
今まで通り、笑顔が一番可愛い俺で。
「神ちゃんせんぱーい！」
「ぐっ、」
「おはようございます。朝から会えるなんて嬉しいです」
「のんちゃん、もう何十回目やけど急に後ろから飛びついてこないで」
相も変わらず懲りない彼を引き剥がす。
ひどい！なんて聞こえたけど、そろそろほんまにムチウチになるって。…労災降りるかな？
「朝からえらいご機嫌やな、何かあったん？」
「仕事がようやっと一段落ついて。新幹線腰痛生活とおさらばです」
「おーお疲れ」
先日まで福岡とここを行き来していたと言う彼は、ぽんぽんと腰を叩く。
まだまだ若いやろ、は言わないでおく。俺やってまだ20代やし。
「重岡先輩とはその後どうですか？」
「へ？」
「俺と清水ちゃんの間でもっぱら話題なんですから」
「はぁ…別に元から何もないねんけど」
いやぁ実はこの前の金曜日で契約終了なりまして。
晴れて俺たち普通の上司と部下に戻りました。
心の中でそう答えながら、曖昧な笑みを返す。
「てか二人の話題それしかないん」
「まぁ会話の6割はこれですね」
「変なの」
俺たちのこと邪推して、何が楽しいんだか。
いや先輩の成人式での過ちから今現在置かれてる状況まで聞いたら面白いのかもしれへんけど。
「俺は二人のこと、応援してます！」
「オリンピック出る予定はないけどな(?)」
ガンバレ、日本！的なガッツポーズにそう返すと、のんちゃんは嬉しそうに笑った。
・
せっかく入れた気合いなんてもうどっかいって。
立ち話のおかげで始業時間も近づいてきた。
慌てて自分のデスクに向かうと、先客が。
「重岡先輩…？おはようございます。どうされました？」
「おはよ。いや別に何もないねんけど。いつも早いのに珍しいなって思って」
「入り口のところでのんちゃ…営業部の小瀧に捕まって」
「あぁ後輩か」
あれ、なんか普通に話してる。
先輩との距離って前からこうやったっけ？
「でもよかった。何かトラブってるのかと思って連絡しようか迷ってたから」
「ご心配おかけしてすみません」
「ううん」
話しているうちに部長が徐に姿勢を正し始める。
それは始業時間になった合図で、慌てて先輩は自分のデスクに戻っていった。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
