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耳に纏わりつくような目覚ましの音。
布団から出るの下手な人選手権やったら、俺優勝できると思う。
何度目かの通知を止めて、眠い、と、起きなきゃ、の葛藤。
スマホを開くと、メッセージアプリに赤い印がついていた。
「…え、」
重岡先輩からの連絡。
おはよう、とただそれだけ。
戸惑いながら返事をする。
“おはようございます”
昨日のこと、気にしてるとか？
期限を設けたとは言え、ほとんど先輩の要求を飲んだ形だ。
不服に思ってる俺を気遣ってくれてるんやろか。
おはよう一つで絆されるような軽い罪やとは思えへんけど。
“今日も一日がんばろな。じゃあまた会社で”
・
「何の連絡ですか、あれ」
「ん？」
結局、その疑問をぶつけることができたのは、終業時間間際だった。
企画会議の片付けを二人でしている時。
「朝の…」
「おはようLINE？おはよーっていう連絡やけど」
「今までそんなのなかったやないですか」
きょとん、としているあたり、変な他意はないらしい。
当たり前の顔をして先輩は言う。
「やって付き合ってるんやから」
「いや、“ふり”ですよね？相手さんがスマホの中盗み見てるわけでもないんやから、こんなんしなくても…」
「俺、形から入るタイプ」
きっぱりとした瞳に、言い返すことはできなくて。
あっくん、流星、助けて。この人ほんまに、
「あかんかった？なんかさ、やっぱり距離感ってふとした時に出るやん？俺ら会社の中では仲良い方やと思うけど、カレカノって考えるとそこまでは行ってないなぁって」
カレカノって、どっちがどっちの想定ですか？
心の中で問いかけながら、俺は頷くことができずにいた。
あんまり距離が近くなったら、俺多分戻れなくなる。
拗れて、めんどくさくなるのは女の子だけやないで。
「面倒やったら返事しなくてもいいから。俺の自己満足みたいなもんやねん。お願い」
「先輩、俺に何回お願いするんです」
「じゃあ神山も俺にお願いしてええよ？」
「……ないです、そんなん」
こんな約束、やめてほしいなんて言うたら先輩困ってまうもんな。
本気で付き合ってほしい、はもっと。
「でもなんかほんま、わくわくしてきたわ。誰かと付き合うのなんて何年ぶりやろ？」
弾んだ声でそう言うと、先輩は嬉しそうに口を開く。
「せっかくやから、今日家来てや！」
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
