#13 ページ13
最近仲良い、か。
「神山ぁ、アイス買いに行かへん？」
「え、今からですか？」
「お風呂あがりにアイス、最高やん」
「俺ん家コンビニ結構遠いって」
「ええのええの。奢ったる」
いつのまにか自分のものみたく俺の部屋着を羽織って過ごす先輩。
たしかに、これじゃあ変な噂をされても否定できないか。
「初めて泊まった時の遠慮ってどこ行っちゃったんですかね」
「んえ？あるある、めっちゃある」
「あるなら帰って速攻靴下半分脱ぐのやめて」
「神山も帰ってって言うてるやん」
けらけらと笑った先輩は、そのまま表情をふっと緩めて言う。
「お互い様やと思うで。神山、すごく自然になった。あと口悪くなった」
「…すんません」
「怒ってないわ。笑 嬉しいねん。仕事じゃ絶対見られへん神山の顔たくさん見れて」
嘘なんて一つもない笑顔。
先輩のまっすぐな視線に応えたい、と思う。
このまんま仲のいい後輩やって、男友達の代表みたいなツラして。
「前に言ってた、」
「ん？」
「言ってた話あるやないですか。先輩の知らない俺がいるとか、そういうの」
買ったマグカップは先輩の家に。
二つ仲良く並んだ写真はこっそりスマホのホーム画面にした。
「多分先輩しか知らない俺結構いると思います」
「…ふふ、そっか」
「なんで笑うん」
「いや。気にしてくれてたんやなぁって」
「そういう訳やないです」
照れ臭くなって靴紐をぎゅっと結ぶ。
すぐそこの距離なのにサンダルを選ばなかった時点で、きっと先輩には今の俺の頬の熱さだってバレてるんやろな。
「正直な神山には奮発してダッツの許可を与えよう」
「え、ほんまですか？」
「うん。ええよ。値段気にせんと好きなアイス買い？」
「あ、じゃあ俺今クレームブリュレのやつが気になってて。早よ行きましょ」
思わず掴んだ先輩の手首、あっ て思った時にはもう遅くて。
離そうとしたらぎゅっと手のひらを握られた。
「まだ靴履けてない、タンマ」
「っ、すんません」
「ほい。行こか」
振り解くことなんてできないその手は俺より少し小さくて、ふくふくと柔らかかった。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
