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「俺と付き合ってください！」
「…え、？」
「お願いします！この通り！」
「ちょ、重岡先輩やめてください、」
土下座せんばかりの勢いで頭を下げる先輩を前に、俺はあたふたするばかり。
昼下がりの給湯室には、いつ人が来たっておかしくない。
俺が小声で止めても、先輩は大声で捲し立てる。
「ほんまにこんなこと頼めるの、神山しか居れへんの！お願いします！何でもしますから！」
「顔上げてください、全然話見えないし…」
「やから、俺と付き合ってほしいねん！1日限定100個のプレミアム生プリンで手ぇ打ってくれへん？頼む！」
・
「……いやです」
先輩の話を一通り聞いて、返した言葉はノー。
捨てられた子犬みたいな顔をしているけど、正直この告白(と言う名の脅迫)は、元を辿れば自業自得としか言えないものだった。
“何歳になってお互い好い人がいなかったら、結婚しよう。”
よくある言葉。
今日もどこかの同窓会で紡がれているであろうその言葉。
「なんでオッケーしてもうたかなぁ」
「ほんまですよ。自分でどうにかしてください。俺、面倒なことに関わりたくないです」
重岡先輩もご多聞に漏れず、20歳の時の同窓会で約束してしまったらしい。
30歳になって、恋人がいなかったら私と結婚しない？
「でもさぁ、俺今仕事大切にしたいねん。結婚どころか彼女作る気にもなれへんし」
「じゃあそうお相手に言って、」
「これやで？言えるか？」
ずいと差し出されたスマホの画面を見れば、なるほど、恋人がいる以外の断りは許さないという姿勢。
私は別に恋愛したいわけじゃないから、という言葉がどれほど信じられるのかは、先輩の顔から察せる。
「わかりました。百歩譲って今、重岡先輩に付き合っている人が必要だとして、なんで俺なんですか？相手も、男じゃ納得しないでしょ」
「いや、これで適当な女の子に声かけたら今度そっち拗れるし」
さらっとモテ男発言されたことは一旦スルー。
事実、商品開発部期待のエースと噂される先輩は、確かに女性社員の心をほしいままにしている。
「それに、男と付き合ってるって言うたら、相手もドン引きして撤回するかもしれへんやろ？」
……そう、やなぁ。
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ナナセ(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。完結まで漕ぎつけられたのはあさんを始め、たくさんの方が読んでくださったおかげです！最後までお付き合いいただきありがとうございました☺️ (8月22日 9時) (
レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - ゆきのさん» コメントありがとうございます。赤さんは途中から💚さんへの気持ちに自覚が出てきたので、だんだん会いたいだけで誘うようになったし、キスもそういうことです🙊 最後までお付き合いいただきありがとうございました！ ぜひ次回作もお付き合いくださいませ！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
ナナセ(プロフ) - foolさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまって申し訳ありません💦 緑さん可愛いファンクラブ(自称)なので嬉しいですー！ (8月22日 9時) (レス) id: 775b763c2b (このIDを非表示/違反報告)
あ - 初コメ失礼いたします。完結おめでとうございます！緑くんの恋が実って良かったです😭今回も素敵な作品ありがとうございました！ (8月21日 20時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - もともと緑くんが好きだったから、見えない所でも恋人っぽく振る舞ってたのかと思いきや、天然だったのはちょっとビックリ。罪な男…！付き合い始めて、青くん達にも紹介したんだろうなとか、色々妄想したくなっちゃいます。次回作も楽しみにしています。 (8月20日 1時) (レス) id: 22105fbc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2023年7月14日 22時
