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大ちゃんへ
お元気ですか?
この春で専門学校は卒業です。
都内のホテルに就職が決まりました。
大ちゃんはもう俺の顔も忘れてしまったかもしれないけど、俺は時々大ちゃんの夢を見ます。
夢の中の大ちゃんは、いつも切ない顔をして笑っています。
俺の前ではいつも元気で明るく振る舞ってくれたけど、ほんまは辛い気持ちもたくさんあったよね。
オトンとオカンのこと、全部大ちゃんに任せきりで申し訳ないです。
地元で就職することも考えたけど、
ごめんなさい。
もうきっとそっちに帰ることはないです。
また一ヶ月後、連絡します。
・
・
忘れるわけないやんか。
俺も夢見るよ。ともの夢、毎日のように見る。
ともの背中に何度も、ごめん、ごめんって言い続けるの。
俺、自分が何をしてしまったのかわからない。
わからないけど、わからないから、謝り続けるしかなくて。
一人で歩く地獄の道は、感覚も麻痺して日常みたいになってる。
もう逃げ出したいなんて思わへん。
俺はずっとここにおる。
やから、いつか帰ってくるって、俺諦めへんからな。
39回目の手紙には、学校を卒業したこと、地元に帰らないこと、変わらず来月も手紙をくれること。
そしてスーツ姿で映るともの写真と、桜の花びらが入っていた。
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ナナセ(プロフ) - 7129さん» お返事遅くなってしまってすみません💦 コメントありがとうございます。ぜひ最後までお付き合いくださいませ◎ (2022年10月27日 17時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - ナナセさん!待ってました〜🙌読み始める前から胸がぎゅんぎゅん締め付けられてます…月水金、楽しみにしてます!!! (2022年10月25日 22時) (レス) @page4 id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナナセ | 作成日時:2022年10月24日 14時