#09 ページ9
あ、遅番なら俺が送りを申し出れば良かった。
そう気づいた時にはもう、目覚まし時計が鳴っていた。
「ダイキ、トモ？」
生憎、俺も大毅も朝が得意やない。
それでも昨日早くに寝た俺の方が、きっと朝余裕あるって予想できたはずやのに。
手探りで目覚ましを止める音。
シーツが擦れるその音で、大毅が起床に苦戦しているのがわかる。
「シュウ、おはよう」
「おはよ！トモ！」
とりあえず朝ごはん。
ステーキ…は無理やけど、うん。
「大毅、起きれる？俺がシュウ送ろうか？」
「おきる…」
もう。シュウより子供みたいやん。笑
「シュウ、まずは顔洗おう」
「はーい」
シュウを洗面所に送り、その間にご飯の支度。
・
「いただきます！」
「はい、どうぞ召し上がれ」
簡単なものばかりになってしまった。
明日から、朝ごはんは作り置きしておいた方がいいかもしれへん。
「ダイキ、寝癖すごい！こんなになってる」
「こーら、フォーク振り回さへんの」
シュウの手からフォークを取り上げる。
時間的な余裕はあまりないけど、シュウは昨日会えてなかった大毅と少し話したいみたい。
「ほんま！？それは困ったな…こーんななん？」
「うん！こーんな！」
目一杯腕を広げて、目をまん丸にした二人の姿はほんまもんの親子みたい。
微笑ましくて笑ってると、二人がパッと俺に視線を向ける。
「ともは…ちょん、やな」
「うん。トモはちょん」
「えっ、俺もはねてるん？」
右手で髪の毛を押さえると、逆逆！と突っ込まれる。
「僕は！？」
「うーん、シュウはピョーン！かな」
「ほんまや。ご飯食べたら髪の毛直さなあかんね。笑」
頭のてっぺんで、一房立ってる。
アニメみたいな寝癖も、子供のものやと一層愛らしい。
「今日はピョーンのまま行く！」
「えぇ、ほんまに？」
「うん！」
思わず大毅と顔を見合わせる。
唇をむにゅっと曲げて困った顔。
「…どうする、このままで行くん？」
「いやぁ…どうなん、自分で鏡見てんねやろ？」
「見てると思うけど…うーん」
…うーん。
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ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください！笑 (2021年8月31日 11時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年8月27日 11時
