#06 ページ6
ショーケースに並ぶケーキたちはいつだって綺麗。
淳太さんと流星たちが心を込めて作ったそれらは、最早スイーツを通り越して芸術品や。
「番号札3番でお待ちのお客様、お待たせいたしました。お品物の確認をお願いします」
店の照明を受けて、ナパージュがキラキラ輝いている。
ケーキを並べて見せた時の、お客さんのパッと綻ぶ表情。好きやなぁ。
「保冷剤をおつけしました。持ち運びは一時間を目安にお願いします」
…あ、そろそろ上がらんと。
淳太さんに事情を話したら、基本的に早番になるようにシフトを組んでくれるって。
ただ、今月はもういじれないから、適宜他の人と交渉しろとのこと。
結局、なんとか大毅が出勤の日は早番をもぎ取ることができた。
「神ちゃん、時間大丈夫？」
「んーそろそろやなぁ…でもお客さんまだ多いし…」
ケーキの補充をしに来た流星に声をかけられる。
淳太さん以外には事情は詳しく話してなくて、ただなるべく早く上がりたいとだけ。(その内のんちゃん、流星には言うことになりそうな気がする。)
理由も言ってないのに、優しくしてくれるのがありがたくて、申し訳ない。
「心配なら俺もレジ入ろか？三人も居れば大丈夫な気はするけど…」
たしかに今は、早番と遅番が重なってる時間で、レジは俺を抜いても三人。
「まぁ、とにかく帰り？」
「ん、ありがとう」
預かってまだ初日やのに、早くも仕事と育児の両立の壁にぶつかったような気がする。
・
「遅くなってすみません…！」
「あ、神山さん。全然大丈夫ですよ」
部屋を覗くと、シュウくんの他にまだ何人か残ってた。
「シュウくん、お待たせ」
俺を見上げてシュウくんはにぃっと笑う。
「ママより早い」
「あれ、そーなん？」
「うん。トモ、えらい」
「おおきに」
シュウくんにとって、俺の存在って何やろ。
同居人なんて難しいこと、きっとわからへんよな。
大毅のお友達、とかやろか。
「シュウくん、今日何したかトモお兄ちゃんに教えたって」
「ドロケイ！」
「そうなん？シュウくんはどっち？」
「けーさつ。たくさんつかまえたで」
「ほんま？すごいなぁ」
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ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください！笑 (2021年8月31日 11時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年8月27日 11時
