#24 ページ24
本日もありがたいことに盛況。
いつもよりケーキの売り上げが良くてロスも全く出なかった。
むしろ、最後の方はケーキが売り切れて焼き菓子のみの販売になってしまって申し訳ないくらい。
「神ちゃんが遅番居る〜！一緒帰ろ〜」
「んはは、のんちゃん、もーくっついたら暑いって笑」
仕事着のまま後ろから抱きついてくるのんちゃんから抜け出す。
甘えたがりののんちゃん、俺が遅番減って寂しかったんかな。笑
「お疲れー」
「あ、流星。お疲れ」
遅れてバックヤードに入ってきた流星は、俺とのんちゃんの顔を見てハッとした顔になる。
「神ちゃん、ごめんな」
「え、何？」
「あのー、色々、プライベートなこと望から聞いてもうたから」
「俺からもごめん。流星があまりにも気にするから、つい」
二人して頭を深々と下げるから、慌てて口を開く。
「大丈夫やって！別れたのは別に隠すことやないし、シュウのことは俺が自分から言い出したわけやし」
まぁ、意図していた経路と違う形で話が流れてるのを良いこととは思わないけど、二人のことは信頼してるから。
「俺もシュウくんに会いたかったなー。昨日、ここ来てたんやろ？」
「うん、淳太さんが面倒見てくれて。流星も帰り送ってくれたんやで」
「シュウくん、可愛かったなぁ。素直なええ子やし」
淳太さんの他にもファンが。笑
「えー！羨ましい！写真ないの？」
「写真…お母さんに送ったビデオメッセージならあるけど」
・
なんだかんだで話は弾んで、淳太さんにもう戸締りしたいと急かされて。(シュウの動画見せたらすぐ許してくれたけど)
「なぁ神ちゃんはまだ元彼のこと好きなん？」
三人で駅に向かう途中、流星がぽつりと呟いた。
「え、何で」
「そりゃ気になるやろ。神ちゃんがいくら優しくても、元彼の甥の面倒を見るって、なぁ」
流星がのんちゃんに話を振る。
「まぁ…尽くしすぎ感は否めない、かな」
「のんちゃんまで…。最後の思い出、みたいな？六年以上付き合って、情やってあるし」
ええか、言っても。この二人になら。
「思うんやけど、俺と大毅って一生一緒に居るか、これからもう一生会わないかの二択やねん。最後にきちんと笑って別れて、シュウが家に帰ったら、俺らの関係もきっちり断つって、決めて、」
決めてる、から。
「尽くしてるんやなくて、これは俺に、俺のために、神様がくれたモラトリアムやと思ってる」
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ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください！笑 (2021年8月31日 11時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年8月27日 11時
