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#20 ページ20

苦戦しつつもなんとか寝かしつけるのに成功。
洗濯物畳んで、洗い物せな。

“なんかあったら頼って。放っておかれへんよ。神ちゃん、頑張り屋さんやねんもん”

帰り際、流星にかけられた言葉がフラッシュバックする。
可愛くないって言ったくせに、最終的に面倒見が良いのは彼がお兄ちゃんやからか。

“それに…相手の親戚なんやろ?ほんまはあっちが仕事抜けて引き取っても良かったんちゃうん”

…そうかもしれないけど、俺が迎えに行く約束だった。
それに、大毅のこと、無責任みたいに言わなくてもええやん。今あっちは繁忙期やし…。

“肩入れしすぎたあかんで。神ちゃんの人生は神ちゃんのものやねんから”

その人生を、大毅に、全部捧げたいと思ったらあかんのかな。












「おはよぉ」
「…だ、いき…」

シュウの靴下を握りしめたまま、教科書通りの寝落ち。
やってしまった…。

「今日はほんまにごめんな…とも、忙しかったよな」
「いや、元はと言えば残業になった俺が悪いし、」

靴下の片割れ、と思って洗濯カゴを見ると空っぽになっていた。
俺の手元から靴下を引ったくった大毅は、何事もないように自分で持って居たらしい靴下と合わせて畳む。

「それはちゃうよ」
「……」
「出た。ともの意地っ張り」

大毅は困ったように笑う。

「あれやな、俺が謝るからこうなってまうんよな。…とも、今日はありがとう。助かった」
「…ん。大毅も仕事お疲れ」

洗い物、と思って立ち上がろうとするのを大毅が引き止める。

「何?」
「洗い物、もう終わってる」
「ほんま?ありがとう」
「うん」
「……えーっと、」

どうして離してくれないんです?

「とも。無理ならちゃんと無理って言ってほしい」
「何が?」
「今日のことも、これまでの10日間も、これからの20日間も」

真っ直ぐな目に見つめられて何も言えなくなる。

「何とかするって、どうするつもりだったん?ほんまにピンチなら、そう言ってくれへんと。俺やって頼み込めば仕事抜けれた。し、そうするべきやったと思う。俺がともを巻き込んでる形やねんから」

そっと頭に温もりを感じる。
撫でられてるとわかって避けようとしても、大毅は離してくれない。

「ちょっとずつで良いから、ちゃんと頼れるようになって。弱音吐けるようになって」

ちょっとって、俺と大毅にはもうあと20日しかないのに。
でもそれを口にしたら全部が壊れてしまう気がして。

「…善処、します」

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ナナセ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ床を転げ回っても大丈夫なところ(?)で閲覧してください!笑 (2021年8月31日 11時) (レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ああもうすでに好きすぎて涙出そう。ここ、飯屋ですが床を転げ回りたいです。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナナセ | 作成日時:2021年8月27日 11時

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