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ステージトラックから開会の挨拶が聞こえる。
俺やしげみたいに、最初のシフトが入っていない人を中心に中庭には多くの人が居る。
外部の人より先に列に並べるのは在校生の特権。
箸巻きの列に並びながら実行委員長の話をぼんやりと聞く。
「神ちゃん、俺、１時くらいにあそこで漫才やるから」
「え？結局漫才になったん？」
「おん、照史と。ぶちかますで！」
部対抗何しよう〜って悩んでいたのは記憶に新しい。
顧問直々に出てくるのは陸上部くらいやと思うけどな。笑
「見に行くわ。どっちがボケすんの？」
「俺がボケ。俺ツッコミできひんもん笑」
列が進んで前に詰める。
「めっちゃええ匂いしてきたわぁ。朝ごはんしっかり食べてきたのに腹減るな」
「ほんまに。今日明日で全部食い尽くす！」
「神ちゃんめっちゃやる気やん」
「やってどれも美味しそうやもん」
とはいえ、明日は朝イチでシフトやから人気どころは今日の午前に制覇しなきゃいけないのが現実。
人気なところはほんまに一瞬でなくなってまうからな。
「うんま！」
「せやなぁ。あ、マヨネーズ付いてるで笑」
その言葉に慌てて口元を拭う。
そんなに並ばずに箸巻きにありつけた。
後ろを振り返ると、外部の人の入場も始まったおかげで列はかなり長くなっていた。
「神ちゃん、一昨日も絵の具つけてたよな」
「恥ずかしいから忘れてやぁ…」
「ん？可愛えやん」
いや、マヨネーズで口元汚れてる幼馴染に可愛いってどういう感情ナンデスカ。
「お。小瀧見っけ！」
「ほんま？どこ？」
しげが指差した先には、告知のために作ったビラを配っているのんちゃんの姿。…と、それを取り巻く女子生徒の集団。
「すっごい人気…」
「チヤホヤされて羨ましいわぁ笑」
うちの生徒は勿論、他校の生徒やOGと思しき人たち、中学生…バリエーションの豊かなことで。笑
「あ、のんちゃん気づいた」
すんません、すんませんと言うように手を動かして、集団を捌いた彼は俺らの方に向かってくる。
「よっ、イケメン」
「んはは、おーきに」
揶揄うようなしげの言葉に、のんちゃんは苦笑い。
「集客率抜群みたいやね」
「おかげさまで。何食べてるん？」
「箸巻き。一口いる？」
割り箸を差し出すと、嬉しそうにパクリ。
餌付け体験みたいでちょっと可愛い。笑
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ナナセ(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ次回作もお付き合いください！！ (2021年2月19日 13時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 完結おめでとうございます（ ; ; ）とっても面白かったです！次回作も楽しみにしてます(^^) (2021年2月19日 12時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年2月2日 10時
