#43 ページ3
「お釣り用のお金の額、あってるかもう一度確認して！」
「オープンのシフトの人、誰か一人宣伝行くんやで！」
「ネクタイ忘れた！誰か貸して！」
騒がしいのは教室も、他のクラスも。
いよいよ文化祭当日で、どこもかしこも浮き足立ってた。
「流星、めちゃめちゃ似合うなぁ」
「ありがとう。神ちゃんはシフト午後やっけ？」
「そう。絶対流星宣伝行った方が良いで！」
黒のスーツを見に纏った流星はほんまに絵になる。
手作りでところどころ粗があるはずやのに、きちっと着こなすからすごいよな。
「いや、宣伝は望が行くって」
「え！のんちゃんもオープンのシフトなん？初っ端豪華やなぁ」
流星が指差す先には、同じくスーツ姿ののんちゃんが鏡と向き合って髪型を整えている。
「望、外部からも人が来るからって張り切ってアイロンしてた」
「んはは、そのままでも十分イケメンやのに」
俺らの話を聞きつけたのか、のんちゃんがくるりと振り返る。
いつも以上にイケメンになってるわ。笑
「アクセル全開すぎて心配やぁ…俺らの頃には今日の分全部売り切れてるんちゃう？笑」
1日に売る分は決まってる。
それを越したら、その教室は休憩所として解放されるからシフトもなくなってまうんよな。
「したら自由時間長くなってええやん」
「えぇ、せっかくの文化祭やで？ぽいことしたいやん」
話してる間に、出し物の関係で部室棟に行っていたしげが戻ってくる。
午前中に一緒に回る約束をしてたから、しげはパンフを開きながら俺に尋ねた。
「神ちゃん、最初どこ行く？」
「んーとね…2年B組のシューアイスか、１年D組の箸巻き！」
「どっちもええなぁ。売り切れ早そうなのは箸巻きかなぁ」
「やっぱりそう思う？」
既製品を売るシューアイスとは違って、箸巻きは実際に家庭科室で下拵えして中庭で焼くわけで。
ええ匂いしてたら人が集まってくるのは分かりきったこと。
「あ、せや。俺ジェットコースター気になってんねん」
「わかる。ちょっと安全面怖いけど笑」
自分らで木からトロッコを作ったという３年E組のジェットコースター。
よう企画通ったよな、ほんま。
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ナナセ(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ次回作もお付き合いください！！ (2021年2月19日 13時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 完結おめでとうございます（ ; ; ）とっても面白かったです！次回作も楽しみにしてます(^^) (2021年2月19日 12時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年2月2日 10時
