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その後も怒涛のラッシュは続いて、お客さんが途切れる前にシフトの交代時間になった。
「お疲れー、すごい人気やったな」
ネクタイを即座に緩めて、しげは伸びをする。
あー、そんな雑に扱ったらジャケット皺になるって。
「それな。食べ物系はやっぱり売れるよなぁ」
相槌を打ちながら、俺もネクタイに手をかける。
ちょっと色が違うだけで、ブレザーとだいぶ印象が変わるもんやなぁ。
何となく鏡に映る自分のスーツ姿を眺めていると、しげが急に背後から現れた。
「んえっ！？…っ、ちょ、何…！？」
がさごそとポケットに手を突っ込まれて、思わず情けない声が出る。
いやいや、何してんねん。
「神ちゃん、意外と不用心」
むすっとした顔でしげが取り出したのは少し皺になった紙切れ。
そこに書かれているのが10桁の数字ということに気づいて、やっと合点がいった。そっかさっきの。
「知らん人の番号なんて受け取ったあかんて。捨てておくで」
「あ、うん、ありがとう」
ぐしゃぐしゃと雑に丸めて、しげはそれをゴミ箱に放る。
「…恋人のヤキモチみたいやな」
思わずぼそっと呟いた言葉に、返ってきたのは軽いゲンコツ。
「神ちゃんの人たらしめ！」
・
シフトが終わればもうあっという間。
一通り楽しみ尽くしてから、売り切れて休憩所になった自分たちのクラスに戻ってきた。
中庭に集まって女子たちが大量に自撮りをしているのを眺める。
「そろそろミスミスターのPRタイムちゃう？」
俺の声にのんちゃんがぴくりと眉をあげた。
ちなみに彼は去年出場して、無事にグランプリを取ってる。
「あれ緊張すんねんな。恋人はいますか？とか要らん質問してくるし」
「知らんがな。出たことないのにわかるわけないやん！」
しげは自販機で買ったいちごミルクを吸いながら文句を言う。
(自販機で残ってるのがそれしかなかった)
「…思った以上に甘いわ、これ。神ちゃんいる？」
「俺に押し付けんな。笑」
文句を言いながらも受け取って一口。
何なら俺、ちょくちょく買うやつやし。
「何かストローの間接キスって普通のより濃厚な気ぃせん？」
「ごふっ、」
「な、な、何言うてんねん小瀧！神ちゃん大丈夫か！？」
…重岡さん、叩くんじゃなくてさすってほしいです。痛いです。
「大人の間接キスって感じ」
「流星まで！」
「…しげ、これ返す」
「いや俺には甘すぎるねんて！」
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ナナセ(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ次回作もお付き合いください！！ (2021年2月19日 13時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 完結おめでとうございます（ ; ; ）とっても面白かったです！次回作も楽しみにしてます(^^) (2021年2月19日 12時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年2月2日 10時
