#58 ページ18
「はい、遅刻〜」
しげはのんちゃんに容赦ない言葉を浴びせる。
「ミーティング長引いてん！事前に連絡もした！」
「昼飯、小瀧奢りな」
「まじで納得いかへん！」
日曜日。
今日は修学旅行の買い出しに四人で駅ビルに来た。
午前に部活があったしげとのんちゃんは、一緒に来るかと思いきや別々で。
いや、どうせここで合流するならのんちゃんのこと待ったれよ…と思いつつ。
「とりあえずご飯先やろ？ほんで、服とー、あと何や？」
「俺キャリーケース買いたい」
流星の問いかけにさらりと返す。
今までと変わらず振る舞ってくれるのが本当にありがたい。
大切な友達やもん。拗れた関係になるのは絶対嫌や。
「おっけい。じゃ、望の奢りやし、ステーキ屋にでも入る？」
「まじでお前ら覚えとけよ…」
・
…まぁ、ステーキ屋に入るはずもなく。
学生にもお手頃なハンバーガーショップで腹ごしらえをし、いざ買い出し。
「なぁ、水着いるかなぁ？」
「あー水温的には全然入れるやろけど」
服屋に着く前に色々と寄り道してしまうのはお約束。
ふらふらと水着コーナーにしげと流星が吸い込まれていく。
「てか、もう冬物ばっかりやん。沖縄に合う服ある？」
「意外とあるで。薄めのニットとかなら、それ一枚着て丁度良いくらい」
水着組は放っておいて。(…泳げへんからちゃうで？)
のんちゃんと服屋に入って物色を始める。
「あ、これとか神ちゃん可愛いんちゃう？」
「…いや、子供用やん。着れへんわ！」
四人で仲が良いのもめっちゃ楽しいし、良いことやけど、何か久しぶりにのんちゃんと二人きりで話したなぁ。
ちょっと嬉しくて笑ってしまうと、それをめざとく発見される。
「なぁに笑ってんねん。もっといじった方がええ？笑」
「ふふ、勘弁してやぁ」
また子供服に手を伸ばしながら、のんちゃんはそういえば、というふうに口を開いた。
「二泊目のホテルあるやん？あそこ、イルミネーションやってるんやって」
「へぇー」
「どう？神ちゃん」
「ん？あ、ええなぁ、男四人って絵面が寂しいけど」
俺の言葉にフルフルと首を振る。
「違くて。もう、神ちゃんってほんま鈍いんやな」
神ちゃんのこと、誰かさんが誘ってくれるんちゃう？
いたずらっ子みたいな彼の笑顔に、誰かって誰やねんと小さく呟いた。
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ナナセ(プロフ) - かこさん» コメントありがとうございます◎ ぜひ次回作もお付き合いください！！ (2021年2月19日 13時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 完結おめでとうございます（ ; ; ）とっても面白かったです！次回作も楽しみにしてます(^^) (2021年2月19日 12時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2021年2月2日 10時
