#07 ページ7
もう意味わからへんことばっかり、勘弁してほしい。
「神ちゃんおはよ」
「はよー」
昨日、手を差し出してきてくれたのも含めて夢だった？
当たり前のように歩き始めるしげの背中をぼんやりと眺める。
「神ちゃん疲れてるん？歩くの遅ない？」
「別に…、いや、疲れてるんかなぁ」
だって疲れてるからこんなことが起きてるとしか思えへんやん。
まさか火曜日だけしげが別人なわけあるまいし。
「えっ！もう神ちゃん、すぐ無理するから…」
そう言ってしげは俺の頭を撫でる。
それが気恥ずかしくて、振り落とすように首を振った。
「別に頭痛いわけやないって」
「夜更かししすぎたあかんからなぁ？」
しげちゃんオカン心配！と彼はわざとらしく項垂れる。
たしかに俺も心配やけど。
これって自分が原因なのか、しげが原因なのか全く検討がつかへんわ。
・
放課後。
病院に行くほどやない、てか、これで何かようわからん大きな施設に連れていかれるのが怖い。
ひよった俺は、手始めに保健室を訪ねた。
「失礼します」
先週ぶりのその部屋に、目当ての中間先生は居らんかった。
…その代わり。
「あ、神山くん」
カーテン全開で寝転がっている、例のイケメン。
毎週水曜日発売の少年誌を捲る手を止めて俺を見据えた。
「どした？淳太、今日の午後は出張やで」
出張なら保健室閉めとけや。
また日を改めようと、ドアに向かうと引き止めたのは彼の声。
「何かあったんやろ？絆創膏くらいならくれるけど」
「そういうんやないから、」
「じゃあ何？」
お前には関係ないやろ、そう言いたいのにあまりにも真っ直ぐ見つめられると言いにくくて。
「…ちょっと相談事」
「俺が聞いたる」
「何でやねん」
ほら座って。
勝手知ったると言わんばかりに戸棚を開けると二人分のマグカップとカフェオレのスティックを取り出す。
どうやら俺の分も淹れてくれるらしい。
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ナナセ(プロフ) - かこさん» いつもコメントありがとうございます！ ぜひ今作もお付き合いください〜◎ (2020年12月28日 18時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 今回のお話もさっそく大好きになりました。笑 応援してます(^^) (2020年12月28日 14時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年12月28日 12時
