#34 ページ34
「それでは、うちのクラスの出し物はワッフルということで」
金曜日のLHR。
今日は文化祭の出し物について話し合ってる。
「内装と衣装について何か意見のある人居ますか？」
ワッフルは既製品やから、その分内装や衣装に凝ることに。
「はい！喫茶店みたいなお洒落な雰囲気にしたいです！」
「逆にホラーテイストは？俺、お化け屋敷まだ諦めきれへん」
わーわーと色々なところから意見が出る。
その姿を見守っていると、隣でしげが小さく笑った。
「ん？何？」
「いや、神ちゃん今わかりやすく電源オフったなって思って」
「意見出さんでも話まとまるやろ、これ笑」
逆に意見多すぎるくらいやわ。
「はい！男女逆転メイド喫茶！」
あーそれはちょっと嫌やわ。
つい数日前に話した内容を思い出してちょっと憂鬱になる。
女の子みたい、って言われるんあんまり嬉しくない。(嬉しい男子は少数派やと思うけど)
でもその意見に何だか教室は同意の空気が流れてきて。
えぇ、まじか。
「ちょお待って！？普通に逆転せんで執事とメイドじゃあかんの？」
はいはいはい！と大きな声で主張したのは俺の隣、そう、しげ。
「せっかくイケメン多いんやから正攻法で行った方が集客率ええって！女子やって、ふりふり着たいんちゃうん？」
「そんなん言うて、重岡がスカート履きたくないだけやろ笑」
クラスメイトの野次に、しげはそうやで！と当たり前のように返す。
「絶対内輪ノリの面白さやなくて、全体のクオリティ意識した方がええで！俺のスカート姿見て得するやつ居らんもん！」
なぁ？と急に振られて、曖昧に頷いておく。
…これ多分、庇ってくれてるんよな？
「そんなに言うなら、普通のにしよっか。重岡くんやないけど、顔立ち整ってる子が多いもんね。うちのクラス」
クラ代は頷くと、黒板に決定事項を書き連ねていく。
「もー、神ちゃんが電源オフるから」
「ごめん…？」
「まぁ俺も、スカート履きたくないのはほんまやけどな。でも神ちゃん露骨に顔歪めるから」
「えぇ、自覚なかった」
「ん？せやろな。俺しか気づかへんで多分」
このセリフを、ドヤ顔やなくてちょっと照れた顔で言うのが彼のずるいところやと思う。
「神ちゃんのことよう知ってるのも、よう見てるのも俺だけやもん」
「…良い幼馴染を持って幸せです」
「ふふ、珍しく立場逆転やな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 416人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナナセ(プロフ) - かこさん» いつもコメントありがとうございます！ ぜひ今作もお付き合いください〜◎ (2020年12月28日 18時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 今回のお話もさっそく大好きになりました。笑 応援してます(^^) (2020年12月28日 14時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年12月28日 12時
