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「流星、俺にもポテト一本ちょーだい」
クーポンを使っていつもより安くポテトを手に入れた流星は、黙々とそれを口に運ぶ。
何か、こうやってるとちょっと小動物みたいで可愛え。
「えー、じゃあ神ちゃんのそれも頂戴」
それ、と言って彼が指さしたのは、俺が飲んでるバニラシェイク。
んー…仕方ない。
「はい、どうぞ」
「ん。…甘いけど美味しいな」
「やろ？」
てっきり子供舌って揶揄われるかと思った。
流星はそういうところがあるから。
「じゃあポテトな」
流星はわざわざ長いのを探してくれて、俺に差し出してきた。
「ありがと、」
「ちょ、ストップ」
「え？」
受け取ろうとすると止められる。
「ほら、」
「……えぇ、そういうこと？趣味悪いで」
口元にまで運ばれたポテトに合点がいく。
男友達相手に何してんねん。
「餌付け体験みたいでええやん。神ちゃん、小動物みたいやねんもん」
「小さくて悪かったな」
同じこと思ってた、とは言わないでおく。
・
「Takaさん、」
路上ライブが終わって、声をかける。
残念ながら俺の予想は外れて、件の曲は歌ってくれへんかったけど。
「ん？ああ、…そういや名前聞いとらんかったな」
俺の名を呼ぼうとして止まった彼に、名前を名乗る。
「お、ヒロ仲間やん。俺崇裕っちゅーねん。そっちは？」
「藤井流星です」
「名前まで男前やな。てか、そう、二人が知り合いだったことに驚いてんけどそれ言い損ねてたわ」
あ、そっか。
Takaさんが言ってたいつも聞きに来るもう一人の人って、流星のことだったんや。
「この間友達になりました。これからは二人でライブ見に来ます」
流星の言葉に頷く。
彼のマイペースさもあって、時間潰すのも案外気が楽で楽しいし。
「お！嬉しいやんか！ついでに学校の友達にも俺のこと紹介しといてや」
「ふふ、わかりました」
そして俺は、今日話そうとした本題に入る。
「ギターを買って、練習し始めました」
「え！ほんま！」
「ちょ、神ちゃん何それ聞いてへんのやけど！」
そう、誰にも言ってへんかったけど実は。
まだまだ練習途中で、披露なんて夢のまた夢やけどな。
「ええやん！何か弾けるようになった？」
「一曲だけ。まだTakaさんに聞いてもらえるほどじゃないです」
「んー？トモさんのなら全然聞くで！」
「と、ともさん…？」
「ん。君がTakaさんって呼ぶから」
Takaさんは揶揄うように笑うと、ギターを背負う。
頑張ってな、という言葉に強く頷いた。
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ナナセ(プロフ) - かこさん» いつもコメントありがとうございます！ ぜひ今作もお付き合いください〜◎ (2020年12月28日 18時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 今回のお話もさっそく大好きになりました。笑 応援してます(^^) (2020年12月28日 14時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年12月28日 12時
