#27 ページ27
午後一番は応援合戦から始まった。
応援団の揃った演舞を見て、思わず感嘆の声を漏らす。
ちょっとやりたかってんけどな。
「何で上裸でやるんやろ」
「カッコいいけどちょお恥ずいよな」
そう、男子は上裸に法被一枚。(女子はベアトップの上に法被)
ここで勇気出なくて諦めた。
「おい望、どこ見てんねん」
「いや別に女子の胸元見てへんわ！」
わーわー話してる間に、借り物競走のスタンバイが始まってる。
体育祭の目玉企画。
普通のお題の中に、色々入ってるんやって。
謝りたい人、感謝を伝えたい人、…告白したい人。
やから全体的に皆、浮き足立ってる。
「流星ものんちゃんも、準備しておいた方がええで」
二人とも男前やもん。
かっこいい、って言われてるのを度々聞く。
「え、ちょお待って神ちゃん！俺は！？」
「しげ？しげは…」
しげが告白されてもうたら嫌やなぁ。
でもそんなこと言えるわけなくて。
「しげ、ドンマイ」
俺が言葉に詰まってる間に、流星がニヤリと笑う。
「ちょ、ひどない！？」
・
…なんて言ってたのに。
「重岡くん、お願いしてもいいかな？」
今しげは、クラスで可愛いと噂の女の子に鼻の下を伸ばしています。
「え、あ、俺？」
「うん…だめ、かな？」
「あ、いや…」
何故そこで俺を見る、重岡くん。
水曜日のあなたは俺と別にどうこうなくて、やから、
「早よ行けや笑」
引き止めることなんてできなくて。
「しげずるいわぁ！良えなぁ！」
のんちゃんが冷やかす声がどこか遠く聞こえる。
…見たく、ないなぁ。
「神ちゃん、」
そっと顔を伏せようとしたタイミングで、肩を叩いたのは流星。
「ちょっと保健室付き合ってくれへん？」
「え、どしたん？どっか具合悪い？」
のんちゃんの言葉に流星は小さく笑う。
否定でも肯定でもないそのリアクションに、のんちゃんは首を捻った。
「望、悪いけど先生に言っておいてくれへん？」
「え？ちょ、」
手を引かれてズンズン進んでいく。
「赤組ゴール！男女で連れ立ってきました！ということは____」
グラウンドの喧騒はどんどん遠のいていった。
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ナナセ(プロフ) - かこさん» いつもコメントありがとうございます！ ぜひ今作もお付き合いください〜◎ (2020年12月28日 18時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 今回のお話もさっそく大好きになりました。笑 応援してます(^^) (2020年12月28日 14時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年12月28日 12時
