#23 ページ23
土日と、通常授業の月曜日を挟んでいよいよ準備と予行練習。
午後に生徒総出でコースの組み立てやら何やらと、入退場の確認をする。
「じゃあ二人三脚に出る人は入場口に移動してー」
桐山先生の声にワラワラと人が移動する。
「神ちゃん、行こ」
「おん」
本番と違って、入場して説明を聞いて退場するだけのつまらん作業やから周りも結構だらけてる。
俺らも例に漏れず、まぁまぁのんびり歩いた。
「絶対こんなに予行やっても本番上手くいかんよな」
「毎年押すもんなぁ」
しげとか、出る種目多いからいつ移動か覚えるのも比例して多いし。
大変やな、というと他人事すぎる響きを咎められる。
「ちゃんと俺の勇姿見とってや？」
「それは言われなくてもちゃんと見てますぅ」
・
何か不備があったとかで、二人三脚の退場までやってから予行は一時中断。
実行委員やら体育科の先生やらが忙しなく動き回ってる。
「なぁ神ちゃん、ちょっと練習せぇへん？」
暇やし、としげはあっけらかんと言う。
一応トラブルやねんから、あんまり暇とか言うたあかんで。
「ほら、鉢巻きで代用したらちょうど良えんちゃん？」
「たしかに。やってみよか」
とはいえ、俺も練習したい気持ちはある。
しげ、俺のこと置いて突っ走りそうで怖いし。笑
「ほな、外側の足からな」
「おう」
「いくで、右、左、」
「…待って」
ん？と真剣に疑問そうな顔。
「あんなぁ、しげの外側は右でも俺の外側は左なんよ」
「……あ」
「いち、に、でお願いしてええですか？笑」
ほらやっぱり練習しとかな危なかった。
思ってたよりも教科書１ページ目の失敗をされて驚いたけど。笑
「よし、じゃあいくで。いち、に、」
「あ、ちょ、はや…」
いや、うん、陸上部様の普通の速度って意外と速いねんな？
如何に普段の登下校ゆっくり歩いててくれたかがわかるわ。
「もしかして俺ら相性最悪なんちゃう」
「…！そんなん嫌や！」
神ちゃんと走る！ってまた意気込むから。
これ以上速くなられちゃ困るんです、と慌てて訂正する。
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ナナセ(プロフ) - かこさん» いつもコメントありがとうございます！ ぜひ今作もお付き合いください〜◎ (2020年12月28日 18時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 今回のお話もさっそく大好きになりました。笑 応援してます(^^) (2020年12月28日 14時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年12月28日 12時
