#12 ページ12
「いらっしゃい！」
よく行くラーメン屋さんの店主の快活な声に迎えられた。
色気なくてごめんなぁ、としげは小さく笑うけど、いつも通りの方がかえって落ち着く。
「豚骨2つ」
麺の硬さも油の量も、当たり前のように俺がいつも頼むのと同じで注文してくれて。
毎回、覚えててくれたんやって嬉しくなるポイント。笑
「そういやさ、淳太の年齢知ってる？」
「じゅんた？誰それ」
「保健室の、中間センセイ」
「…あー、淳太って言うんやっけ」
てかそんな仲良かったん？
そうすると、しげのことを中間先生に相談するのは危険やろか。
「で、なぁ知ってる？」
「いや知らんよ…何で？」
「何かな、不老不死やねんて」
「な訳ないやろ笑」
ほんまやって！信じて！というしげの要求は豚骨ラーメンを前に一度棄却。
「「いただきます」」
パキン、と割り箸を割る心地よい音。
…の後にうぎゃ、と横から情けない声。
「神ちゃ、」
「交換せぇへんからなー」
関係が変わっても、こういうところは変わらへんのか。
・
ラーメンを食べ、血糖値が上がった頭にどうにか物理をぶちこんで。
いやぁもうほんましんどい。
しけが優しく教えてくれるのがせめてもの救いやな。
「よし、ラスト一問やで」
彼の言葉に頷く。
教えてもらった通りに式を立てれば、それっぽい数字が出てきた。
「お、できたやん」
「やーほんま助かった、ありがとう」
わしゃわしゃと頭を撫でられて、大人しくしているとしげは不思議そうな顔をする。
「反抗せんの？」
「したほうが良かった？」
問いかけたら慌てて首を振る姿が愛しくて。
「そんなに俺の髪好き？」
「おん、やっと黒髪戻ってきたし」
学校がないのをいいことに、夏休み金髪に染めたからなぁ。
かっこええやんって言ってくれたけど、やっぱり黒のが好きやったんかな。
「俺の知ってる神ちゃんって感じで、安心するねんな」
「んはは、知らん男になってすんませんでした」
「いや金もええねんけどさー」
神ちゃんなら何でも好き、ってほんまに火曜日はずるい。
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ナナセ(プロフ) - かこさん» いつもコメントありがとうございます！ ぜひ今作もお付き合いください〜◎ (2020年12月28日 18時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 今回のお話もさっそく大好きになりました。笑 応援してます(^^) (2020年12月28日 14時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年12月28日 12時
