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でもな、ほんまは期待してる。
しげも俺のこと好きなんちゃうかなって。
そりゃあさ、ずっと居んねんやもん。
俺は、彼にとって少なからず何か特別なんやと思う。
「ほんま、美味しそうに食べるよな」
「あんまり見られると食べにくいわぁ」
だって俺を見つめるその瞳の感情は恐らく“愛しい”で。
「スイーツ食べてる神ちゃん見るん、好きなんやもん。減るもんやないしええやろ？」
俺と同じ温度をしている、と思う。
「何かが減る気がする」
「何が減るねん！怖いわ！」
「俺の寿命」
ピタリ、としげの動きが面白いくらいに止まる。
「えぇ、それは困る…」
「冗談やって。笑」
見つめられると心拍数上がって寿命減ってるかも、なんて。
乙女チックな思考をわきに置いて、俺は再びパフェと向き合った。
・
しげの様子がおかしい。
普段から落ち着きない子やけど、いつも以上にソワソワソワソワ。
喫茶店を出て、地元に向かう電車を待つ間もずっと。
「次の電車まで時間あるし、座る？」
「、せやな」
さっきからこの調子で、俺の言葉にも返答が少し遅れて返ってくる。
俺、何かした？
「しげ、どしたん？」
「や、どうもしてへん、」
「嘘ばっかし。何年しげの隣に居たと思ってるん？」
心なしか強張った顔を覗き込むと、いよいよしげは俯いてしまって。
「…あのさ、神ちゃん。言いたいことがあんねん」
「何？」
ぽつりと呟いたかと思えば、今度は勢いよく顔を上げた。
忙しい子やなぁ。
「神ちゃん、好きです。俺と付き合ってください！」
「……え？」
好きです、付き合ってください。
しげの声が頭の中で何度もエコーする。
「えっと…告白、ですか？」
「おん。神ちゃん、俺の恋人になってよ」
そんな都合の良いことあってええの？
頬を抓るとじんわりとした痛み。
「神ちゃん？」
「ほんま？ほんまのほんま？」
「ほんま。…返事、聞かせて？」
「そんなん、」
良いに決まってるやん。
俺が最後まで言う前に、ぎゅっと強く抱きしめられた。
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ナナセ(プロフ) - かこさん» いつもコメントありがとうございます！ ぜひ今作もお付き合いください〜◎ (2020年12月28日 18時) (
レス) id: 4f931bc539 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - 今回のお話もさっそく大好きになりました。笑 応援してます(^^) (2020年12月28日 14時) (レス) id: 6e72dd3f11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナセ
| 作成日時：2020年12月28日 12時
